社長のための銀行対策の実務 168号

「借り渋りを利用した銀行取引改善
〜その4 伸ばす取引から伸びる取引への深耕〜

 先般しばらくぶりにお会いした社長がつくづくとおっしゃいました。
 「銀行とのいろいろな取引を伸ばそう伸ばそうと一方的に、短期間に銀行に説明しても勢いよくは進まなかった。けれども決して無駄にはならず、当社をよく知ってもらった……これからは、伸びる取引振りをしていきたい……」と。

 一般的に言って、金融機関は金融機関どうしで競争はしていても、極端な取引改善は、なかなかしたがらないものです。
 中小企業側から見れば「説明」・「分かってもらえる」には、相応の時間がかかるものだと考えて下さい。
 また、いろいろな説明資料(現状の分析関係や近未来の経営計画書……)等も必要です。

 さて、現在のような、どちらかというと、中小企業側が金融機関を選択できる環境に置かれている場合こそ、「親身になって相談に乗ってくれる、頼りになる銀行」かどうかをよく注視してほしいのです。最もトラブルになるケースは、担当者が異動で転勤したら急におかしくなってしまった、というものが相変わらず多いものです。

 「伸びる取引」をされている企業の代表者は、担当者はもとより、その店の責任者とも必ず上手にお付き合いをしており、折に触れ面談もしています。必ず複数の相手・長(支店長・支社長・法人営業部長・○○部長)とよく話をしております。

 結局は、取引金融機関が当社のことを共通認識しているベースを持っていることが重要となるのです。

 ですから、上手にスケジュールを組んで、3カ月に1回は、支店長等にもお会いの上、軽い状況説明や今後のこと、お願いごとを確認することは重要なことです。

 担当者が変わったら、銀行の取引振りもすぐ変わってしまったというのは、本来はありえないものです。それを理由に銀行側がそうしているケースもあります。

 親身になってくれない、または、くれなくなった金融機関のみといつまでも取引していても、中小企業にはメリットはありません。
 そのような場合こそ、多少の時間はかかっても「自社に合う取引金融機関」をさがすこと、伸びる取引行と出会える努力をすることが必要な時です。

資金コンサルタント 大久保直之


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