社長のための銀行対策の実務 148号

「銀行の貸し広げを事業拡大のチャンスに」

 

 最近の銀行の動きから中小企業への貸出しに関しての戦略が大きく変わってきています。

 例えば、 大手行では、中小企業向けの無担保・ビジネスロ−ン型を切り口に新規開拓の攻勢を初めており、 地方銀行なども、既存の取引先の深耕策として、積極的に『貸し広げ』などの展開を図っております。

  そこで、今回は、中京地域で不動産の建売業を営んでいるA社のお話をします。この会社は、土地の仕入れて住宅を建築し、販売するというモデルです。

 メイン取引行は、地方銀行と信用金庫の2行。A社は、バブル崩壊以後、借入の限度額は限れ、大きな額の借り入れは到底無理といった状況でした。

 現在「正常先」ランクにもかかわらず、決して必要資金を楽々と借りられるという状況ではありません。しかし、ある時、信託銀行が新しい与信取引で1億円の不動産開発資金( 無担保・1年間)の取引が成立しました。

 それは、土地の売り主側が紹介した全く新しい与信取引だったのです。この話が持ち込まれた時、このA社の社長が私のところに相談に見えました。

 相談内容は、「メイン行が、色々と過去実績と今後の業績見通しの詳細を、今までとは、異なる見方で聞いてきた」というものでした。

 この社長と相談した上、一番使い勝手がいい、「新型の当座貸し越し商品」を「コベナンツ付、1年間毎の見直し、無担保」という条件で商品を利用させてほしいと申込をしました。

 この融資から約3 ヶ月間が経過した現在、このメインの地方銀行は、新たに「新型当座貸越商品として極度枠2億円」を設定してきました。

 このA社は、メイン行の動きに驚いていましたが、大変喜んでいます。当然良い土地を仕入れようとハリ切っています。

 A社の社長の真面目さが定性要因として大きく寄与していることは現実ですが、新たな信託銀行との取引が今回の引き金になっています。

 「不動産業でも、利益が見込める事業」には、様々な商品を用意しており、最近ではプロジェクト(事業案件ごとの)融資なども増えております。

 バブル崩壊以降、不動産業を営まれている中小企業には、なかなか難しかった大型融資が、決まり始めております。

資金コンサルタント 大久保直之


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