社長のための銀行対策の実務 146号

「銀行と上手に付き合う方法」

 さて、今回からは銀行対策に成功している経営者にスポットをあて、金融機関との交渉をご紹介して行きます。

 もちろん金融機関との交渉は、各企業が置かれた状況で異なってきます。しかし、ここ何回かみ渡ってご紹介する事例の中で、一つでも活かせるものがございましたら、ぜひ実践しいただきたいと思います。

 では早速、関西で小売業(売上約20億円)を経営されているA社長をご紹介します。A社長は、とても「頭の回転も早く」「理論家」タイプの経営者です。「経営実績もあり」「自信家」でもあります。

 然しながら、性格が「短気」であったために、取引金融機関の担当者との関係は、まずくはないものの、非常に上手く行っているとは言えない状況でした。

 特に、金融機関への提出資料は「決算書」と「口答での今後の説明」程度であったため、メイン取引金融機関の担当者も困っており、しかたなしに、担当者がパソコンで、資料を作っているような状況でした。

 現在の金融環境においては、ある程度の利益が確保され、増収増益であれば、このような状況でも運転資金借入は、そうは苦しまないのも事実です。

 しかし、賢い経営者であれば、この好状況をチャンスと捉え、自社に有利な状況へと交渉しなければなりません。

 このA社長も、資金繰りに関しては、現状、困っていないが、このままでは、イケナイと思っていたようです。そこで、総務経理担当の方とは別に財務や経営数値を担当統括できる社員を育成しょうと考えておりました。

 そんなタイミングの時、今年の春に、大手の小売業からリストラによる方のご紹介を受けたのです。私の印象は、印象は、大変実直な方でした。

 大手企業化からの転進ということで、中小企業で続くかどうか心配しておりましたが、そんな心配を他所に、半年が経過した現在、取引金融機関との交渉窓口として多大な活躍をされています。

 今まで未整備でした、金融機関にいわれた都度作成せざるを得なかった必須資料も前もって作ることができました。

 また、社長がイメ−ジで語る近未来をより具体化して「事業計画書」も出せる様になり、金融機関側も安心して取引が出来るようになりまして、支店長も社長のところに気安く来所されるようになりました。

 社長も最近は、すっかり金融機関との上手な付き合い方を把握され「新しい銀行取引」を実践しております。

 中小企業の規模にもよりますが、「銀行窓口担当の財務の方」を一人置くだけで、会社のイメ−ジまでもが変わった成功例です。

 新しい与信取引行との取引も始まり、次のステ−ジの展開が始まっています。

 

資金コンサルタント 大久保直之


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