社長のための銀行対策の実務 145号

「身の毛もよだつ資金調達法」

 ここ何回かは、資金繰りが悪くなった企業がどのようにして乗り切ったかをご紹介してきました。今回は、その締めくくりといたしまして、本当に資金繰りが狂ってしまい、大変なことになってしまった会社の例をお話しいたします。

 特異なケ−スではありますが… 改めて自社の財務体質を見直すキッカケにしていただければ幸いと思い本件をご紹介します。

 まず健全な経営をされている会社には関係ないことと思いますが、今回の事例は、東京都内にあるT社のお話です。

 結局T社は、究極の状態に陥ってしまってから、約1 ヶ月後に、取引金融機関からの再融資が実行され、通常の経営へと戻ることが出来たのですが、一時期は、右に行ってよいのか、左に行ってよいのかも判らないような、パニック状態となってしまいました。

 では、さっそく、究極の資金調達法をご紹介いたします。しかし、こうした方法をとらずに済む何があってもビクともしない、強固な財務対策を取られることをお勧めいたします。

  おそらく、健全な経営者であれば、下記のような資金調達を考えるだけで恐ろしくなってしまうでしょう。今回は、あえて最終手段としての資金調達法をご紹介いたします。


 1.積立預金をしていた積立預金を解約しての資金化
 預金担保貸付でも良いと主張したが、以前のようにすぐ貸付できないので解約した。

 2.契約者T社で生命保険( 積立貯蓄性の高い商品)をかけていたため、契約者貸付金による資金調達

 3.一部「売掛金」を売却出来る先があったのが、相手方に通知の上、売却しての資金化

 4.小規模企業共済に加入しており、納付した掛金範囲での貸付

 5.社長個人のカ−ドロ−ン5社から借入実行

 以上1〜5を立て続けに行って約70百万円の資金を取りあえず調達して乗り切りったのです。やはり、毎月余裕がある時に資金を貯蓄しておくことの重要性もつくづく感じた事件です。

 このT社の社長、この一件以降「財務」が重要な中心の経営課題と認知され、今では、

 1.自己資本比率45%

 2.借入依存度20%

 3.流動比率250% 等々

 を実現されており、安定的な経営をされております。

 社長いわく、もっと早くに対策をとっていればよかった、もっと早く私に財務健全化の指導をお願いしていればよかったとのこと。「災い転じて福となす」の事例でした。

 

資金コンサルタント 大久保直之


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