社長のための銀行対策の実務 139号

銀行からの「事業提案」の裏には…

 

  最近になって不動産賃借事業を行っているO社は、業績回復に伴い「信用格付」を第4段階(4a)「リスクは、あるが良好水準」まであげました。

 それを見計らってか、メイン取引行が、O社の「信用格付」が上がったタイミングで、過去に積極展開していたディベロッパー事業を、再度、事業として取り組み、収益をあげて欲しいということを提案してきたのです。

 どういうことかと言えば、ディベロッパ−業務にかかるお金を別枠で「プロジェクトファイナンス」で取組し、その業務で得た売却益で、借入金を返済する「ノンリコ−スロ−ン」の提案です。

 但し、そのプロジェクトの精査は、銀行側でも行うこととする。そしてディベロッパー業務は、総額の極度額の範囲以内で、というのが条件でした。

 この相談を聞いた時、私は2つの見方を致しました。

 1.業績回復による貸し拡げ。

 2.過去のO社のディベロッパ−業務の実績と収益見込みによる「案件格付」。

 実は、大手メガバンクは、信用リスク管理の高度化作業に入っています。以前の「債務者ごとの信用格付」に加えて、新たな「案件ごとの格付」を精査した上で融資するというものです。

 多くの場合「案件ごとの格付」は、「プロジェクト・ファイナンス」という手法を用います。但し「案件格付」は、「あくまでも債務者格付の上にのった、貸付管理の高度化ということを認識下さい。

 「債務者格付」で精査した上で、案件ごとの保証や与信期間、金額( 極度)を決めているのです。

 今回は、「いかに債務者格付が重要なのか!」そして、「貸付がより高度化されて来た」という事例をご紹介いたしました。

大久保直之


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