社長のための銀行対策の実務 133号

赤字でも銀行からの評価が上がる

 このシリ−ズでも何度かお話しさせて頂いただいでおりますが、「営業利益」は何があっても、必ず出してくださいと申し上げています。

 私の指導先で、兵庫県で小売業を営んでいますT社長は「何よりも営業利益」と拘り経営をされております。

 金融検査マニュアルでも、金融機関の格付けの中味でも「本業での儲け」が重要視されているからです。

 一般に「営業利益+ 減価償却」の合計額が、営業キャッシュフロ−として捉えられています。

 ですからこの営業利益上でプラスでないと、一般的には借入返済の原資が出てこないため安い金利での借入調達は難しくなってきているのです。そういった意味からも「営業利益」の重要性を強調しています。

 T社長は、ここ数年「特別損失」で、できる限り「評価損の処理」や「在庫の適正化」等の厳しい基準で引き直しの上、特損処理しております。

 多くの金融機関は「経常利益」が確保された上での、特別損失にはきちんとした理由であれば寛大なもので、むしろ中小企業に対する評価は高まるのです。

 参考のために、新しく公表された「中小企業の会計に関する指針」のうち損失処理できる主な部分を列拳しておきます。

  1. 金銭債権( 貸付金、預金, 受取手形、売掛金等も含む) で、市場価格のある金銭債権は、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期損益処理できる。
  2. 回収不能な債権は貸倒損失できる( 貸倒引当金の計上も可)
  3. 市場価格のある有価証券は時価をもって貸借対照表額とし評価損は特別損失に計上できる。
  4. 棚卸資産は、原価法又は低価法で評価できる。
  5. 繰延資産の一時償却
  6. デリバティブ取引により生じる正味の債権、債務の時価評価
  7. 各種引当金の活用( 一部)などです。


 営業利益が出ている会社では、金融機関が、その行為自体を評価してくれる内に、早めの処理をお勧めいたします。

 

大久保直之


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