社長のための銀行対策の実務 131号

虚偽の決算書は必ずバレル時代


 年間、300社以上もの企業と接していると、いろいろな企業が存在しているものだとつくづく感じます。例えば、借入金について、決算書上の借入金額より実際の借入額の方が多い。 借入先が異なるなどです。

   何でそのようなことになってしまったかはここでは省かせていただきますが、こういった企業の特徴として

 ● 申告書の添付決算書と金融機関提出用の決算書が異なっている。

 ● 決算月にグル−プ間会社の取引を調整して決算を組む

 ●決算月にみ月末の調整を行っている。

 等が挙げられます。いずれにしても、現実と数値が違うために、わざわざ、2重に数値管理をしたり、取引金融機関への提出書類のために新たに決算書を作り直す等… 大変な労力がかかり、かえって余計な苦労をしているのではないかと思います。

 さて、これからの対応ですが、いずれは正常な形にしなければなりません。戻すためには、まず業績= 本業での利益を出すことが必要です。増収・増益であれば金額にもよりますが、より実態に限りなく近い数値に戻すことも可能です。

 先般、A社から「今まで、実態と違った決算書を銀行に提出していたが、現状の決算書を提出したいのだが、どうすればいいのか」とのご相談がありました。

 幸い本業での利益率もあり、ある程度の経常利益も確保できる決算が組める見通しがついたため、親密取引行には事前に上手に説明したうえで、真の姿に変更しました。

 現在は、「貸し渋り」の時代ではないので、多少有利子負債は重く、経営数値に表われましたが、与信取引に、大きなマイナスもなく推移しています。

短期的には( 今期限り) 何とか対応できるものですが、この借入金のいわゆる簿外的存在は、場合によっては大変な信用失墜にもなりかねないのです。

 特に金融機関毎に提出している内容が異なり、信用保証協会付融資の取組となるような場合、情報が一元化されている時代に入っています。虚偽の決算書は、必ずバレル時代になっているということを認識ください。

 

大久保直之

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