社長のための銀行対策の実務 122号

中小企業経営革新支援法取得で、格付けアップ!

 東大阪に本社がある、自動車の関連機器製造メ−カ−のB社長は、「技術力こそが自社の生き残り」と強く方針を打ち出し、事業を行っています。

 しかし、この会社は先代からの借入金額が大きく、売上は減少したままの状況が続き、借入元本がほとんど減少しない状態でした。

 この会社の借入金融機関は、メイン行として地方銀行1行と地元信用金庫1行です。その他には、政府系金融機関2行から長期資金を借入しておりました。もちろん、保証協会の○保枠はいっぱいで、所有不動産の担保余力もありませんでした。

 さらに、メイン行から調達している短期借入金にいたっては、「返済」「借入」の繰り返しで、ほとんど借入残高が減少しません。そうしているうちに、短期の借入金本数が20本あまりとなってしまい、毎日の書替の労力が、かなりの負担となっていました。

 それではいけないと、B社長は、昨年新たに「中小企業経営革新支援法」を申請し、府から承認を得たのです。

 そして、B社長は、支援法を得るだけではなく、経営革新計画の数値をより具体化させた「事業計画書」を作成したのです。

 それを持ち、借入を行っていない新たな金融機関6行に新規融資の説明に回ったのです。

 その結果2行からは「当面の状況をみてから…」と断られましたが、4行からはOKが出て無担保・代表者個人のみの連帯保証でプロパ−融資計4億円を得ることができたのです。

 このことはメイン行に対しては事前に相談しておりましたので、社長は同時に既存借入金の見直しも含めて対応できたのです。

 そうして、月々の返済も大きく増える事なく設備の入れ替えを完了し、次への事業展開への足がかりをつかまれました。

 本件の例のような場合、メイン行の協力がまず最重要です。メイン行は、決して新しい与信行が入ってくることを望まないことはありません。きちんと自社の発展への説明をすればご理解いただけるはずです。

 特に地域金融機関は、メイン取引先が今の状況より良くなることへの協力は、おしみません。

 この会社の成功のポイントをまとめます。

 ●何といっても、経営革新支援法の取得と、詳細な事業計画を作ったこと。

 ●それによって、企業格付けが、正常先の最も下位から大きくランクアップできたこと。

 この改革から早1年が過ぎようとしておりますが、借入金も堅実に減少してきており、売上げも回復の兆しが見えてきました。同じ会社とは思えない勢いがついています。

大久保直之

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