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西嶋和夫の「社長のための坐禅入門」 6号 |
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「坐禅のやり方(その2)」 |
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[1]坐禅の姿勢
坐禅において一番大切な問題は、坐禅そのものにおける姿勢である。 なぜかと言うと, もしも、われわれがせっかく坐禅をしておりながら、伝統的な正しい姿勢をとっていないと、坐禅における本当の狙いである自律神経のバランスが具体化せず、したがって坐禅の実体である自受用三昧(じじゅようざんまい)が実現しない。 自受用三昧(じじゅようざんまい)とは、「自受」という言葉によって表わされている副交感神経の働きと、「(自)用」という言葉によって表わされている交感神経の働きとが、同じ強さになって相殺し合うために、思考が意識されず、感覚が意識されない状態をいう。 思考が意識されず、感覚が意識されない状態なぞという奇妙な状態が、人間の意識作用の中に果たしてあり得るかという疑問が起こり得るけれども、例えば、優れた百メートル競走の走者が、百メートルを全力疾走している際には、意識はむしろ明々白々として存在しているけれども、物事を考えたり感覚的な刺激を受け入れたりする機会はほとんどないだろう。 このように人間の行ないの中には、思考の世界もほとんど消え、感受の世界もほとんど消えて、行ないだけが意識される状態がある。 それは、人間の自律神経が完全にバランスしたために、思考と感受の働きのほとんどすべてが消滅して、純粋な行為だけの残った状態が、三昧(ざんまい)と呼ばれる境地である。 坐禅における正しい姿勢の要点は、まず腰椎を正しく立てる。 かつて沢木興道老師は、腰椎(ようつい)が前方に向かって湾曲(わんきょく)するほど、腰椎(ようつい)を強く立てることを推奨された。 そして、垂直に立った腰椎(ようつい)の上に、背骨をできるだけ垂直に立てる。 背骨は生得的に後ろに向かって湾曲しているけれども、可能なかぎり垂直に立てるという意味である。 背骨の上に頚(くび)の骨をのせる。頚(くび)の骨もできるだけ垂直に立てるため、顎(あご)を引き加減にして、頚(くび)の背面をできるだけ伸ばす。 沢木老師は「頭の頂点のやや後方に綱(つな)を取り付け、天井に向かって垂直に引き上げるつもりで坐る」ように指示された。
[2]足の組み方 足の組み方は二通りある。 一つは半迦夫坐(はんかふざ)と呼ばれ、他の一つは結迦夫坐(けっかふざ)と呼ばれる。 半迦夫坐(はんかふざ)の場合は、片方の足を床の上に倒し、踵(かかと)をできるだけ胴体の下部に近づけた上、その上に反対側の足を、甲を下にして載せる。 |
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半迦夫坐(はんかふざ)の二例
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結迦夫坐(けっかふざ)とは、足を半迦夫坐(はんかふざ)の形に組んだ上で、さらに下になっている足を反対側の足の上に載せる坐り方である。 文章で説明すると、非常に難しい坐り方のように受け取られるけれども、実際に坐ることに慣れてくると、けっしてそう難しい坐り方ではない。 |
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結迦夫坐(けっかふざ)の坐り方
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結迦夫坐(けっかふざ)の二例
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しかし、足が慣れてくるまでは、かなり痛みを感じる坐り方であるから、徐々に習慣づける必要がある。 そこで、最初から結迦夫坐(けっかふざ)に固執する必要はなく、最初は、半迦夫坐(はんかふざ)の形で坐禅を実行し、足が苦痛を感じる時には左右を入れ替えることによって、徐々に両方の足を慣らしていくのがいいだろう。 慣れるまでは人によっては、かなり痛みを感じる坐り方であるから、人それぞれの事情にしたがつて、徐々に進めて行く必要がある。 釈尊(しゃくそん)も初心者の場合、足の痛くなることを予想されたところから、結迦夫坐(けっかふざ)と並んで、半迦夫坐(はんかふざ)を正式の坐り方として、定められたと想像される。 現に、道元禅師がお書きになった「普勧坐禅儀」の中では、結迦夫坐(けっかふざ)の場合「左の足を右の腿(もも)の上に安ず」という表現をとっておられるけれども、半迦夫坐(はんかふざ)の場合には、「ただ左の足を以って右の腿(もも)を圧すなり」と書かれており、初心者の場合には、長年の修行者の場合と比較して、やや緩やかであって差し支えないという慈悲心が、隠されているように思われる。 「普勧坐禅儀」の中では、結迦夫坐(けっかふざ)の場合も半迦夫坐(はんかふざ)の場合も、左足が右足の腿(もも)の上に載る例だけを示しておられるところから、かつて、道元禅師は、普勧坐禅儀の中で規定されている坐り方だけを主張されたという理解の仕方があったけれども、沢木老師は「道元禅師がたんに一例を示されたまで」と言われ、左右の転換を自由に許す解釈を取っておられた。 足を組み終わったならば、衣類を軽く足の上に掛けて、様子を整える。 [3]手の組み方 「普勧坐禅儀」の中では、右の手を左の足の上に載せ,左の掌(てのひら)を右の掌(てのひら)の上に載せ、両方の拇指(おやゆび)が向かい合って、互いに支えると書かれている。 しかし、左の手が右の手の上になっていて、右の足が左の足の上に載っている場合があるけれども、手の組み方は足の組み方と同じ順序にするといいだろう。 したがって、右足が左足の上に載っている場合は、右手が左手の上に載っているようにする。 |
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手の組み方/法界定印(ほっかいじょういん)
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