仕事と人生の楽しみ方 26

「ミノムシ」

レンジャーと言えばロープ。
ロープと言えばレンジャー。

って言われるくらい、ロープを使った訓練、多いんです。
「ロープの魔術師」とも言われるくらいです。
ロープ?マジュツシ?エッ、決してヘンタイじゃないですよ。

建物から建物にロープを張って、空中移動。テレビとかでたまに見るかな?
これ、2種類の方法があるんですよ。

ロープを腹に抱いた姿勢で、背中を上に向けた移動方法を「セーラー」といいます。よく消防隊がやる方法です。

もうひとつは、「モンキー」といって、背中を下にして、ロープに足と手を絡めてぶら下がるような姿勢で移動する方法です。まさにサル。

セーラーにしろ、モンキーにしろ、レンジャーでは、毎日のように何度も何度も、繰り返し、何往復も…。

膝の裏を使ってロープにぶら下がり、右足、左足、と交互に移動するので、膝の裏に「黒血(くろぢ)」と呼ばれるものができる。

内出血のヒドイのを何度も毎日繰り返すうちに、膝の裏が真っ黒になるんです。
これが黒血。この痛さは普通じゃない、たまらないゲキツウ!言葉にならない!
黒字じゃないですよ。それなら大歓迎だけど…

ものすごい激痛なんです。ジッとしててもイタイ!!
でも、今日もロープ。明日もロープ。

色々ある訓練の中でも、この「ロープ」使ったのが一番キライだったかも…
教官もそれを知ってて、ロープ漬けにするんです。多分? イジメ?

高所に張られたロープを今日も何往復も…。ロープの両端に教官が来て、激しく揺さぶって、お手伝いしてくれる。

この頃になると、もう、教官の優しさも当り前で、すでに慣れてしまっっているんです。(笑)

ホントに力尽きて、ロープの真ん中で宙ぶらりんになってしまう。
もう一歩も動けない…

誰か、降ろして…

助けて…

すると、今まで散々激励と罵声をくれた教官たちが、突如無口になるんです。
無視! そのまま30分近くも…

血が頭に集中して、まるで目がドラキュラのように真っ赤になる…。
しばらくして、目が合う。真っ赤な目が…。すると教官が

「ミノムシ発見!!駆除せよ!!」

ボコボコに駆除されます。
ミノムシ撃沈…ミジメ〜。

もう、2度とこんな想い(痛み?)味わいたくない…
結局リタイヤしても、こうなるんなら、絶対リタイヤしないぞ!
腹くくったんです。ミノムシにならんぞ!って固く決意した。

皆さんの普通の仕事でも、プライベートでも、失敗したり、諦めたり、リタイヤして、ここまで温かく?激しく、指導される経験ってないでしょ?

でも、こういう経験、今では私の財産です。自分のプライドは意地でも守るぞ!
人に「ムシ」扱いされるのだけは、2度とイヤだ。

世の中見てると、意地とかプライドとか間違って使ってる人、多いよね。
意地とかプライドは、人、他人に対して使うものじゃないんです。

自分に対して、逃げないため、カッコ良くあるために使うものなんです。
人生はカッコ良く生きなきゃネ。

「意地でもオマエのいうことは聞かない」
「こんな仕事は自分のプライドに傷がつく」…

ナニ言ってるの?

そんな小さな、履き違えた、勘違いしたプライドなんか、ロープでシバって捨てちゃいな。なんなら、優しく、手伝おうか?

村冨 譲二



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