仕事と人生の楽しみ方 25

「50kg」

何度も出てきた、背中に背負った50kgの荷物。
背負ったことある人、まずいないと思うけど、ナニ入ってるか気になるでしょ。
そろそろ教えましょうか…

実は、全部爆弾です。
といっても、普段はホンモノじゃなくてダミーですが、重さはチャンと50kg。
まあ、ホンモノの爆弾だったら、世界中に指名手配ですよね。

手(イヤ火薬?)を抜いてないか、体重計に乗ってチェックもあります。

目的(爆発させるターゲットのことですよ)に応じて、もっと軽かったり、重かったりしますが…。

最初はムチャクチャ重く感じる。実際重いけど…。
それでも毎日毎日続けるうちに、だんだん疲労は溜まるけど、慣れてくるんです。でも、慣れても、荷物が食い込むから、肩周りは内出血しっぱなし…。

ウデが全然上に挙げられなくなるんですよ。今思い出してもコワイ。ツライ。

さらに慣れてくると、それに加えて、機関銃も持つんです。
機関銃はちなみに約14kg。計64kgです。

ちなみにレンジャー現役当時の体重は65kgでしたから、ほぼ体重と一緒の重さを担ぐわけです。

スゴイきついんです。ハンパじゃない。普通の人なら、歩く前に腰砕けるよ。

このオモーい爆弾や、機関銃に慣れた頃、またまた追加が…。

小銃、手榴弾…、追加して背負っていくんです。ドンドン荷物が増えていく…。
食料ならいいんだけど…。重い、重い…。

まさに、「オレを潰す気か?!」って思った。

1人で担げる限界が約50kgだから、200kgの爆薬がいるのなら、4人で任務遂行するんです。だから、1人としてリタイヤできなし、リタイヤした人がいれば、ソイツごと担ぐんですヨ。

任務が重くなるほど、ドンドン荷物が増えていく。ついに倒れるヤツも出る。

「仲間見捨てるな!!」

教官の怒声が…

任務のためには爆薬も見捨てられない、究極の仕組みなんです。だから、仲間ごと担ぐんですヨ。

いったい何キロ背負ってるんだ? もう訳が分からん…。

考えたら、担ぐ気力が消えちゃうから、とにかく無心に担ぐしかないんです。
何キロあるか分かっても、軽くなるワケじゃないし…。

またある時、荷物背負って走っていると、急に背中の荷物がグーと重く感じ出した時があったんです。

「あれ、疲れかな。メマイかな…。ヤバイな…。」

「ン? 悪霊? ひょっとして守護霊の助けかな?」

ドキドキしながら後ろを振り向くと、優しい教官が、笑顔で荷物を引っ張ってた。

「いくらなんでも、教官、それはないでしょ…」

イヤ、レンジャー訓練では、こんなことが当り前なんですけどね。

カワイソウ?

でも、仕事でも人生でも、同じなんですよ。

生きていく限り、背負うものってドンドン重くなる。ノルマもそうだけど、責任、取引先、部下、社員、それに家族…。決して軽くなることないんです。

人生ってそういうモノでしょ?違いますか?

苦労とか大変とか、騒いだってしょうがないんです。どうせ軽くならないんだから…。

背負うんです。ドンドン、ドンドン、ドンドン…

背負えば背負うほど、強くなって、もっともっと背負えるようになるんです。

人間って不思議ですね。素晴らしいですね。

環境が整ったら、今の仕事を減らしてくれたら、新しいことヤルンだけどなあ、なんて思ってるアナタ、違いますよ。今の仕事やりながら、新しいことヤルんです。減らさないとデキナイ、なんていってるヤツで、力あるやつなんていないよ。そこまで背負ってこそ、強くなるし、成長するんです。そうでしょ?

エッ、背負うものが、なんにも無い?それってホントはかなりヤバイ事だよ。
アナタに価値がない証拠。期待されてない証拠だから。

とにかく何か背負ってみようよ。背負って1歩歩いてみようよ。
そうすると、次々、荷物が舞い込んでくるようになるから…。
まず、チョットしたことでもいいから、何か背負う勇気を持とうよ。

ナニッ。やっぱり背負うのよそう?
手伝うよ。背中の爆弾に、優しく火をつけてあげるネ…。




村冨 譲二



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