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「ゴール」 |
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| 第3話の中で簡単に触れました、50Kg背負った3日徹夜のマラソンのことです。 何とか、ゴールに近づき、あと少し、あと少し、と自分に言い聞かせながら歩いていきます。「終わった〜」と思う直前、上長が号令。 「回れ〜〜!」 小学校で習った「回れ右」の号令の様にその場で右回転。そして真後ろまで回った瞬間、また号令…。 「進め〜〜!」 そうです。今来た道を再び戻るのです。 また、延々と戻ります。再び 「回れー、進め!」 またゴールを目指して走り出す。そしてまた、「回れー、進め!」…。 こんなことを繰り返し、やっとゴールとなるのです。 似たような訓練は山ほどあります。腕立て伏せってありますよね。あれもレンジャーだと、何回やるのか全く分かりません。 最初に500回、と言われても、直前になって上長が、「疲れたなあ。あっ、ちょうど椅子があった」と言い出し、腕立てをしている私の背中に座ります。思わず床に胸をつけてしまうと、 「どうした。ムラトミ。最初からやり直し。」 全ての訓練がこんな調子です。 すると、人間、ゴールとか、目標とか、最初から気にしなくなります。 とにかく、本当に終わって、ゴールして、始めて終わりなんです。 なんとも変な表現ですが…。 絶対に、「あと少し」とか「よし、いけるぞ」とか、思いもしません。 下手に目標やゴールを設定してしまうから、途中で慢心したり、諦めてしまったりするんですよ。 皆、心の中で勝手にゴールを決めてしまうんですよ。だからあと一歩のところで何かあると諦めてしまって、せっかく頑張ったのに、自信をなくして、落ち込んで、何も残せないんです。 苦しいし、大変なのは皆同じなんです。でも勝つ人と、負ける人の差って、このあと一歩の差なんです。 この一歩って、体力の差じゃないと思います。 心の持ち方の差なんですよ。 |
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村冨 譲二 |
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