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8柿内幸夫の「社長の現場改善」89号 |
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「まず実行!」 |
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| 先日、ある読者の方からこのマガジンはいつどこで書いているのですか?という質問をいただきました。良い質問ですね。週末に軽井沢の別荘で、ゆったりと書いています。 もちろん嘘です。実は移動の新幹線の中で、パソコンをひざの上に乗せて書いています。それも締め切り間際に必死の形相で。 ただし、すべて直前にあわてて行なうのではありません。今回号を書き終わると、その時点で次回号の大まかな内容は決めてしまいます。そしてそれらを頭の奥の方にしまっておきます。すると次の週の仕事の中で、いろいろな使えそうな事例が現場から浮かんで見えてきます。 そして、もうこれ以上考えていると間に合わない、という最後の新幹線の時間に書き始めます。すると、もう後がないので火事場の馬鹿力が湧き出てくるのでしょうか、何とか文章が書けるのです。 もちろん、もっと早目に書き始めることもできますが、その場合はあれこれ考え過ぎてしまい、なかなか手が動きません。その結果、ものすごく時間がかかってしまうことになります。 そればかりか、文章自体もしまらない内容になってしまい、日本経営合理化協会出版局の担当のO田さんから、厳しいコメントのお返事が来て、結局は締め切り間際に、再び書き直さなければならないことになったりします。 なぜだろうと考えてみました。 私が思いついた答は、これ以上後がないという状況の中では、ただひたすら書く以外、選択の余地がないということです。ナゼ選択の余地がないか? 担当のO田さんが、とても厳しいからです。 「必ず締め切りに間に合わせなさい!」と厳しく言われているのです。「お忙しいでしょうが、なるべく頑張って書いて下さいね」といった緩い言い方はありません。ですから、間に合わせることしか考えません。 そうすると、文章がどうのこうのと考えるのではなく、下手でもいいから、とにかく一回分の文章になるまで、仕入れた材料を使ってひたすらキーボードをたたき続けることになります。 しかし下手な文章であっても、書き終えてしまうと心にユトリが出て、次はそれをどうやって分かり易い文章に直そうかを考える力が湧いてきます。その場合ワープロは便利です。簡単に修正できます。 すなわち一度にあれもこれも考えないで、「まず実行!」という気持ちを固めて、やるべきことだけに集中してやってしまうということです。 実はこれは私が常々現場改善をする時に皆さんにお願いしていることと同じです。 私は工場にコンサルティングでお邪魔するたびに、たくさんの宿題を出します。ただし、その際に、「もっと在庫を減らしなさい」というような曖昧な言い方はせずに、なるべくそれを実行するための、具体的な方法を例として言うようにしています。 そして次回に、その宿題の結果を拝見します。うれしいことに、私が申し上げた例よりもずっと良い方法を考えて、しっかりと結果を出して下っていることがしばしばあります。 柿内のアイデアも悪くはないが、実際に始めてみたらそれよりもずっと良いアイデアが出てしまったというのですね。 私はプロのコンサルタントですが、現場でアイデアを出す場面になると、その作業を実際にやっている方や経営をしている方には、しょっちゅう負けてしまうのです。 その度に悔しがっているとくたびれてしまうので、悔しがらずに素直に負けを認めて、逆に実行した方をほめてしまうようにしています。「イヤーすごいですねー、参った!」です。 一方、私が申し上げた例の通りにやってみたけど、うまく行かなかったといことも、残念ながらあります。その際私は、潔く謝ります。しかし失敗しているわけではありません。十分な成果が出なかったということです。 そしてその実行の過程で、いろいろなことが分かっていますから、またみんなで現場を観察して、議論するとけっこう良い答が出ることが多いのです。 柿内に任せておいてもろくなアイデアが出ないから、自分達で考えよう!ということでしょうか。これもちょっと悔しいですが。 しかし、時には残念ながら、宿題に手が付けられないで、放っておかれることもあるのです。その時の言い訳は、例えば「柿内の言うとおりにやってみようとも思ったが、結果が出るとは思えなかったので、やりませんでした」です。 このような時、私はとても怒ります。私のアイデアを実行した上で結果が出なかったのであれば、私が悪いのですが、考えただけで何もしないとは何事だ!ということです。 この厳しい時代に、人の批判をしてなんの役に立つというのでしょうか。一ヶ月を全く無駄にしてしまったことになります。こういう時には先月にもっと厳しく言っておくのだった、とかなり凹みます。 しかし凹んでばかりはいられませんから、私はその場でその改善をみんなで実行してしまいます。たいてい出来てしまうものです。 「百の考え休むに似たり」 「まず実行!」を実践すると、現場がどんどん良くなっていきます。一緒に元気な現場を作り上げて行きましょう!
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