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8柿内幸夫の「社長の現場改善」83号 |
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「動作のムダ」 |
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| 今回は、7つのムダの6番目の「動作のムダ」についてお話しいたします。 私は7つあるムダの中で一番簡単に取り除けるのは、この「動作のムダ」であると思います。 たとえば、あなたがある商品の組み立て作業を見ていた時に、部品の置き方が逆向きになっているのを発見したとしましょう。そのような場合、その場でそのことを作業者に伝えて直してもらうことは簡単です。 部品の置き方を変えたとたんに、持ち替えの動作が不要になり、改善の成果が出ます。 ところが動作のムダは、このように簡単に取り除ける反面、今度は逆に、簡単に再発するのです。 次の日に同じ現場に行ったら、部品は昨日指示した通りの方向に置いてありましたが、今日は昨日とは違う商品を作っており、今日の商品を組み立てる場合は、昨日の改善前の置き方のほうが都合が良いのです。 (何だよ、少しは頭を使えよー!) このようなことは皆さんご経験があると思いますが、どうすれば良いのでしょうか。あなたがしょっちゅう現場を歩き回って、動作のムダを指摘して回りますか? 無理ですよね。そんなことは作業者が自分で分かるべきだ! と思う方も多いでしょう。しかし、あなたが思っているだけでは、何にも変わらないです。これも確かです。 ではどうするか?答は簡単です。作業者があなたから指摘を受けなくても、自分で常に良い動作ができるようにするのです。 方法は、「動作経済の4原則」を教えてあげて、それをみんなで練習して、作業者が常にその原則に従った作業の準備や実行が、できるようにしてあげるのです。
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(下の写真)ある会社の「動作経済の4原則」についての講習会風景
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| 「動作経済の4原則」とは。 1. 距離を短くする 2. 両手を同時に使う 3. 動作の数を減らす 4. 楽にする の4つです。 一つひとつご説明します。 1.距離を短くする モノを近くに置くということです。何だ、当たり前じゃないか、と思われたと思います。そうです、当たり前のことです。しかし、現場に行って見て下さい。必要なモノが確実に近くに置いてありますか? すぐに使わないモノが近くにたくさんあって、今要るモノが遠くにあったり、後ろにあったり、あるいは足元にあったりしていませんか? 改めて見てみると、この当たり前と思われる第一原則からすでに大きく外れていることが多いものです。
2.両手を同時に使う これは、両方の手が同時に付加価値を生み出せるように条件を整えることをいいます。しかし、両手を使ってさえいればOKということではありません。 例えば左手にモノをいくつも持って、それを1個ずつ右手で取って使うということはよくありますが、この場合の左手は付加価値を生んでいないと考えます。 だって左手の前にお皿が浮いていて、そこにモノを置くとすれば、左手の役割はお皿ですからね。 しかし「同時に両手を使う」と言っても、決して右手で〇を書き、同時に左手で△を書くということではありません。これでは品質を保てません。 あるいは、すごく離れた二ヶ所に手をギリギリに伸ばして同時に作業をするということでもありません。これは不安全です。 いろいろな治具を工夫したり方法を工夫して、両方の手が安全に動いて付加価値をさらに効率的に生み出す条件をつくりましょう。
3.動作の数を減らす そもそも動作って数えられるのか? とお思いですか。 数えられますよ。たとえばペンがペン立てにささっていれば、右手で取ったペンがこのまま字を書く体勢ですが、キャップがついていてテーブルに反対向きに転がっているペンを使って字を書こうとすると、ペンを取り、持ち替え、キャップを外し、再び持ち替えて、と何動作も多いですね。 このように考えて、ムダな動作を取ってしまって下さい。しかしムダな動作とはこれだけではありません。 照明が暗くて目をこらして見るといった「こらす」も動作です。あるいは、危険なので「気をつける」や音がうるさくて「気になる」も動作です。このような不要な動作をすべて取り去って、ムダを減らしましょう。
4.楽にする そして最後の仕上げはこの「楽にする」です。最初の3つを使えばかなり良い動作ができるのですが、最後のひと味は、本当に作業者が楽になったかという切り口でのチェックです。
この4つの考え方を、みんなで勉強して練習するのです。そうすれば、作業をする人がご自分で一番良いと思われる部品のレイアウトや工具の使い方など、あらゆる場面において実現して下さるようになるでしょう。
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