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柿内幸夫の「社長の現場改善」78

「見える化

 「在庫のムダ」の話を連続して書いていたのですが、ある読者の方からこのごろ内容が硬いですね、と言われました。「この程度で硬いと言われてもなぁ」と思う一方で、「確かに硬いかな・・・」とも思いました。

 そこで今回は在庫の話を1回お休みして別の話にします。

 最近「見える化」という言葉をよく目にします。

 これまでは「可視化」とか「ビジュアル化」あるいは「目で見る管理」といった言葉で表現されていたものが、以前よりさらに進歩して、改めて大切なこととして論議されているようです。とても良いことですね。

 世の中がドンドン複雑になってきて、何かあるとすぐに最新鋭のコンピューターシステムが登場する傾向があります。もちろん、優秀なシステムは多いですが、私はそれらの導入に対して、いつも賛成しているわけではありません。

 コンピューターシステムなんか全く不必要な環境であるにもかかわらず、なぜか導入されてしまい、結果的に前より仕事量が増えてしまったという現象をしばしば目にします。

 そこで、「見える化」には大変に期待を寄せています。

 デジタル化しない、超アナログで行く! いちいちパソコンなんぞを立ち上げなくても、現場で目を向けて見れば、それだけですべて分かるといったすごい仕組みがたくさんできれば良いと思います。

 私もこのごろ現場改善の指導をしている中で情報の「見える化」に力を入れています。

 情報をちょっとの工夫で目に見えるようにするだけで、それぞれの工程の人が最適の判断ができるようになり、今まで当たり前だと思って使っていたコンピューターを使わなくても生産がしっかりできるようになった。

 その結果、生産管理の仕事も極めてシンプルになり、夜遅くまで残業していた生産管理部門の人たちの帰りがとても早くなったといった事例が増えてきています。これらの内容については、もう少ししっかり研究をして、その理屈がはっきりと説明できるようになった時点で改めて発表したいと考えています。

 ところで、「情報が見える」ということですが、そんなに難しいことを言っているわけではありません。

 例えば、ホワイトボードマーカーはそれぞれのインクの色を示す色がボディやキャップに使われています。これによって、ペンを取り間違えて違う色で書いてしまうということが起きにくくなっています。

 しかし、もしマーカーのボディもキャップもすべて真っ白であり、その中身のインクの色はボディの底面に漢字で「赤」とか「黒」とかと書いてあるとしたらとても不便です。

 もしそうなったらかなりの頻度で間違えてしまうでしょう。

 ホワイトボードマーカーの場合は、ボディとキャップに色が付いているということは当たり前ですが、生産現場の情報はこれほど当たり前にはなっていないと思います。

 場合によっては、ボディとキャップの色は白のままで、裏側に赤とか黒とかを意味するバーコードを貼り付けてスキャナーでかざして結果を画面に表示するといったバカなことをしているかもしれません。

 私自身が生活の中で最近始めた「見える化」の改善事例をご報告します。

 私はウィークデイは全国の工場を飛び回っているためほとんどビジネスホテルに泊まります。そしてほぼ毎晩何かの原稿をパソコンに向かって書いているのですが、眠気覚ましのコーヒーが欠かせません。

 コーヒーは近くのコンビニで紙コップとインスタントコーヒー、砂糖、ミルクが4〜5杯分セットになっているものを買います。

4〜5杯分の中身が詰まっているカップ

 作り方は簡単でインスタントコーヒーとクリームと砂糖のそれぞれの袋を破ってカップに入れお湯を注ぐ、それだけです。

 ところが少々眠いのと元々がおっちょこちょいなため、時々入れ間違います。コーヒー、あるいはクリームを2袋入れてしまうのです。

 原因は私の作業のやり方でした。

 私はまず目の前にたくさんある袋のうちの1つを何も考えずに取り出し破ってカップに入れます。たとえばそれがクリームであったとします。

 次は当然コーヒーを入れるつもりなのですが、ここで間違って再びクリームを入れてしまうのです。

 理由はコーヒーっぽい(と私が思い込んでしまう)色の袋に入っているクリームがあるからです。コンビニによって売っている種類が違うので毎日同じ色の組み合わせでないのです。

 つまらないことと思いますが、何回もやっていると情けなくなります。

コーヒー、クリーム共にいろいろ

 そこで最近は始めにコーヒー・クリーム・砂糖を1袋づつセットにしたものを並べて確認してから入れるようにしました。こうすればどのメーカーのものを買っても絶対に大丈夫。眠くても平気。気づいた時はとても嬉しくなりました。うーむ、さすが「見える化」!!

 ちょっとしたことですが、「見える化」の応用で間違えることがなくなりました。みなさんもこの「見える化」には着目して改善してください。

 そして、これは良かったという「見える化」の事例があったら教えて下さい。このページでご報告したいと思います。

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