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柿内幸夫の「社長の現場改善」69

手待ちのムダ

 寒くなってきましたね。お互い風邪を引かないように気をつけましょう。今回は手待ちのムダについてお話しします。

 私は手待ちのムダは、7つのムダの中では一番良いムダであると思っています。

 ムダであるかぎかぎり、良いも悪いもないだろう、と思う方もいらっしゃるでしょう。もちろん、ムダはあくまでムダなのですから、ない方が良いに間違いありません。

 しかし、理屈の上ではその通りなのですが、ムダという切り口を通して改善を進めようとすると、この言い方はけっこう使えると思っています。

 先回までお話した、つくり過ぎのムダはムダの中で最も悪いと言いました。それはつくり過ぎを許すと、あっという間に、残り6つのムダも発生するからです。

 しかし、逆につくり過ぎを止めると、とたんに隠れていた6つのムダが顕在化するからです。とくに、瞬時に出てくるのは、手待ちのムダです。

 そりゃそうですよね、何しろ要るだけしかつくらないのですから、現在すでに必要量を作り終えているにもかかわらず、材料が余っているから、もっとつくっちゃおうという状況の作業者は、即生産ストップですから突然に手待ちになります。

 あるいは、明日つくればよいモノであるにもかかわらず、手が空いているからといって、今つくっている作業者も即生産延期ですから、突然に手待ちになります。

 あるいは、ほんの数秒のことかもしれませんが、コンベアで運ばれてきたモノを組み立てる仕事をしている人が、自分のちょうど近くに部品が来た時に手をのばせばいいのに、ちょっと早めに手を出して部品を取っているとしましょう。

 そうすると、ほんの数秒ですが、早くつくり過ぎになります。でも、これをやると、本来は存在するはずの数秒の手待ちが、手をのばすという動作に化けてしまいます。

 すなわち、早くつくりすぎを始めると、同時にせっかくの手待ちが消え、早くつくり過ぎをやめると、同時に手待ちのムダが出現することになります。

 だったら、どっちにしてもムダが出るということじゃないか、と思われるでしょう。

 しかし、手待ちが顕在化すれば、その手待ちを有効活用して、やりたいことはいくらでもあるはずです。

 そうなんです、手待ちのムダは顕在化しさえすれば、すぐに利益に結びつく改善ができる宝の宝庫だということです。

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 そこで一つ提案いたします。

 今すぐ現場に行って、少しでも早くつくり過ぎのムダや多くつくり過ぎのムダがあったら、その場で実際に止めてみてください。

 できない理由は一切なし。

 ほんの10分でいいですから実行です。そして、隠れている手待ちのムダというものを実際にご自分の目で見ていただきたいのです。

 目の前に現実的なムダを見れば、チエが出るものです。手待ちのムダの改善は、まず実際に、目で見てみることから始めましょう。

 ※柿内先生に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。
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