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柿内幸夫の「社長の現場改善」68

つくり過ぎのムダを撲滅しよう

 景気の回復が言われていますが、こういう時にどんな手を打つかによってそれから先の会社の姿に大きな違いが出ると思います。

 私が指導に伺っている会社においても、少し前では考えられないくらいの注文が来ているというところが多くあります。

 ただ量が増えているだけというのでしたら何とかなるかもしれませんが、ほとんどの場合、以前と較べてはるかに短納期で少量多品種の注文になっているようです。

 3週間ほど前のことですが、日本経団連が主催する「洋上研修」の講師として参加する機会がありました。

 200人を超える参加者の方々がリーダーにとって必要なことについての勉強をしながら、職場改革のテーマを取り上げて、かんかんがくがくのディスカッションをするのです。

 長期間の、かなり厳しいスケジュールなのですが、皆さん一人も逃げずに真剣に取り組んでおられました。もっとも逃げようと思っても、船の上ですから逃げられないのですが…。

 参加者すべての方が、ご自身が所属する企業を世の中の変化に合わせて変革していかなければならないという強い意識を持って議論をされました。

 しかし中には、「そうはいっても難しいなあ」といった心配を口にされる方もいらっしゃいました。

 昔は働く人はすべて経験を積んだ人だったし、納期も今ほど厳しくなかった。ところが今は半分は外国人労働者でコミュニケーションもうまく取れないし、、、といった本人は状況を説明しているつもりであっても、冷静に聞くと実は一生懸命にできない理由を言っているというよくある風景です。

 しかし、この考えを頭ごなしに「ダメじゃないか!」といって否定するわけにはいきません。事実だからです。

 しかし、だからといって受け入れるわけにもいきません。

 これが世の中の変化だからです。私たちに世の中の変化を止める力はありません。誰にもできないのです。

 だったらどうするか。

 答は、私がいつも使うチャールズ・ダーウィンの言葉ですね。変化を事前に察知して準備をすることです。できない理由をいくら言っても何の意味もありません。

 忙しくなると、時間に追われてしまい、間に合わなくなるので段取り替えができなくなり、ロットを大きくして生産してしまう。

 しかしその結果、在庫が増え、運搬が増え、不良が増え、管理が増え更に忙しくなって残業が増えてコストが上がり…といった悪循環に入ってしまいます。

 しかし、この時がチャンスなのです。第21号で書いたチャンスの女神が訪れてきたと考えてください。

 つくり過ぎのムダがなく、ちゃんと間に合うモノづくりをするためにどうすればいいのかを全員で考え、それを現場で確かめ実行するのです。

 つくり過ぎどころか間に合わないんだよ! といった声が聞こえてきますが、第67号をご覧下さい。遅れも進みもダメなのです。

 段取り替えはきちんと外段取りができていますか?

 内段取りの改善余地はありませんか?

 この際、社長も入ってみんなで公開段取りを実行してください。段取り時間を短縮し、さらに未経験者でも段取り替えができるようにする技術を生み出すチャンスです。

 きちんと教える時間がないといって、手待ちの人が出ているにもかかわらずリーダーがラインに入りっきりになっていませんか?

 チェックして下さい。これまでおろそかになっていた標準化や作業指導を定着させるチャンスです。

 以前より取り置き運搬が増えていませんか?

 工程を連結して「一回つかんだら放さない」モノづくりをして能力を上げるチャンスです。

 生産が間に合わなければ大変です。この際、全社をあげて本格的なムダ取りに取り組みましょう。

 そして何をさておいてもムダの本質ともいえる「つくり過ぎのムダ」撲滅に挑戦しましょう。

 ※柿内先生に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。
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