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8柿内幸夫の「社長の現場改善」 55号 |
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「安全パトロール」 |
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皆さま、連休はどのように過ごされましたか?
愛・地球博に行かれたり、新緑に囲まれた山歩きに行かれた方も、あるいは家から一歩も出ないで読書三昧という方もいらっしゃったことでしょう。 厳しい競争の中でたまにある、ちょっと連続した息抜きの時間を有効に使って、リフレッシュされたのではないかと想像いたします。 さあ、再び最強のモノづくりを目指してみんなで前進してまいりましょう。 元気な文章で連休明けの「社長のための現場改善100」を書き始めました。しかし、今回はガンガン前に進むのではなく、改めて改善の基本中の基本である「安全」についてお話ししたいと思います。 連休中のニュースのトップは、ほとんどがJR西日本で起きた痛ましい事故についての報道でした。事故に遭われた方とそのご関係の方のことを思うといたたまれない気持ちになります。 モノづくりに携わる私たちは、この事件を契機に改めて自分達の身の回りの危険を見直して、決してこのような大事故を起こさないようにしなければなりません。 しかし私自身、この数年間で頻繁に現場での不安全性の指摘をせざるを得ない経験をして参りました。 ですから、事故はいつどこで起きても不思議ではないという気持ちを強く持っております。 例えば、在庫削減を進める時に必要な段取り替え改善の一環として、しばしば公開段取りを実施しています。 広い部門から多くの方に参加していただき、段取り替えを実行するのですが、その時に「これは危険な作業ではないか」という指摘が他部門からの参加者から驚くほど出るのです。 なぜでしょうか。 答は簡単です。これまで、たまたま事故が起きていないということからくる根拠のない安心感が自らの慣れた職場の作業の観察不足を生んでいるのです。 事故の怖い所は、その事故が起きる一秒前までは安全だということです。 現場の仕事は、以前とは比べものにならないくらい複雑化しています。 一方、作業を担当している方の人数は減り、経験度合いは低下しています。その分、それを補って余りある何らかの方策が打たれていなければならないはずです。 しかし、残念なことに仕組みの上での管理はできていても、それが本当に生きたものになっていないことが多いのです。 「その点については注意するように言ってあるからできているはずだ」とか、「標準は整備されているから守られていなければおかしい」などと管理者が言ってはいけません。 本当に重要なことは、週に一回でいいですから、自分の目で確かめなければ本当の管理とはいえません。 安全パトロールでは、ブレインストーミングレベルの指摘をして、一回のパトロールで100の指摘を行い、その半分はその場で実行処理してしまうくらいの実行力が必要です。 それがハインリッヒの法則(重大災害1件に対して、軽傷事故29件、無傷災害300件がその背後にあるという法則)の実行であり、そうであれば絶対に大丈夫です。 みなさん、できていますか? 指摘はするが実行は任せているというのではだめですよ。 安全はトムとジェリーでおなじみのスイスチーズが重なった構造だといわれています。 一枚一枚のチーズの穴は大したことがないのです。その結果、幾重にも重なったチーズはうまい具合に光を通しません。 ですから、いっけん穴がないように見えるのですが、何かの弾みにチーズがちょっとずれただけでサッと穴が開いてしまいます。 |
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【スイスチーズモデル】
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※Reasonのスイスチーズモデルを元に作画
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たまたまの重なりで安全が保たれていますが、逆に、たまたまのズレで安全が崩れるのです。 私たちはチーズの一枚一枚の穴の存在をなくす議論をしているでしょうか。穴が小さいから大丈夫という議論は危険です。 安全はどこまで考えてもきりがないともいえる極めて難しい問題です。 しかし、これまで安全であったという過去の情報をもう一回見直してください。大事故はなくても、赤チン怪我は必ずあります。 それらの情報を持った上で、改めて現場で判断して下さい。今ある情報はすべて過去のもの、将来はそれらを持った上で現場に行ってみなければ見つかりません。 安全を作業者一人ひとりの心構えに頼るというのは間違いです。もちろん、心構えは重要です。しかし、まずは安全な環境を作ります。そして、その上で心構えを説くべきでしょう。 私は指導を依頼された時に必ずお願いすることがあります。 それはコストダウンはもちろん大切ですが、どんなことがあっても安全と品質を犠牲にしたコストダウンはしないということです。 連休明けの第一歩として、アイデア100+実行最低50の安全パトロールをお願いします。 |
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※柿内先生に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。
okada@jmca.net |
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【柿内先生の本】
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