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柿内幸夫の「社長の現場改善」 51

「ブレインストーミング

 今回は連載51回目。後半戦のスタートです。
 気持ちを新たにして皆さまにモノづくりの実力の向上に役立つ情報を提供させていただきたいと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、これから世の中の動きが更に厳しくなります。これから何をするかを考えなければなりません。そこで今回は、真にものごとを考える方法としてとても有効なブレインストーミングについてお話ししたいと思います。

 ブレインストーミングについては既に知っている方が多いと思います。やったことがある方も多いことでしょう。テーマを決めて、そのことに関してとにかく数多くのアイデアを出します。脳みそ(brain)を嵐のような状態にかき回します(storming)。

 そしてこれを実行するに当たってのルールは4つ。その中で重要なルールは2つです。一つはとにかくアイデアを数多く出すのを目的とすること。そしてもう一つは絶対に他の人が出したアイデアを批判しないということです。

 ところがこのルールがあまりにシンプルなためでしょうか、多くの方が大変に間違ったやり方でブレインストーミングを実行しています。

 例えば数を求めるということですが、皆さんいくつ位のアイデアを出しますか?
 最低でも100は出すんですよ。

 これまでに何回かブレインストーミングの現場に居合わせたことがあるのですが、例えば10人でこれをやった場合に1人が1回に1つずつアイデアを出すと、3周くらいで詰まってしまいます。そして「まあこんなもんかな」とか言ってお終いにしてしまいます。

 しかしこれでは全くダメ。1人たった3つのアイデアでは普段みんなが考えていることを口に出したに過ぎません。

 いつもの道をいつも通りに歩いていても新しい発見はできません。31個目から100個目のアイデアを出す過程の中にとんでもない発想の種があるのです。テーマと関係があるのならどんな汚い手を使ってもOK。100出るまでは終わりません!

 また人の意見を批判してはいけないということについては厳格です。例えば「それって前に出た意見と同じじゃないか」も批判です。あるいは「バカなこと言ってるな」とニヒルな表情を向けることだって批判。

 言いたいことは喉まで出掛かっていても絶対に言わない。これは専門家集団でのブレインストーミングの場合はなかなか守られない。専門家だけあってすぐ批判がでてしまう。「できる訳無いじゃないか、何を言ってんだ、バーカ!」

 

 以前私が司会進行をして「どうやったらもっと多くのお客様に来店してもらえるか」というテーマでブレインストーミングをやったことがあります。

 いつものことですが、まず3周したところで一回ネタが尽きました。そこで私が「どんな汚い手を使っても100出せぇ!」と言ったところ、31個目の意見が「お菓子を配る」でした。すると32個目が「チョコレートを配る」33個目が「キャンディを配る」、次が「お饅頭を配る」、それから「おせんべい......」。

 「いい加減にしろ!」と批判をしたくなったのですが、私がルールを破るわけにはいきませんから、一体いつまで続くんだろうと思いながらひたすらホワイトボードにお菓子の名前を書き続けました。

 さすがにそのうちにそのシリーズも種切れになりましたが、それからあとはいろいろな考えがするすると出始めて、結局は150個のアイデアを出しました。

 そしてそのお菓子シリーズもその次のまとめの時に、一体これを食べたいのはどういう人だという疑問から、お客を層別して考えるという切り口につながりました。

 実際に何か新しいことをやろうとした時にはアイデアの引き出しが多ければ多いほど良いに決まっています。しかしこの引き出しを作るのがとても難しいのです。ですから私はいろいろな機会にこのブレインストーミングを実施します。この続きは次回にお話しします。

 
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