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8柿内幸夫の「社長の現場改善」 42号 |
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「H君の仕事が定時で終わるようになった改善」 |
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前回の41話において、私は改善会の始めに、いつも宿題の結果報告の発表会を開きますと申し上げました。
そう書いた直後、つい先日、O県のE社での発表会で、とても嬉しい発表がありました。 私は、一緒に改善をしてくれる方々、特に若い人に対して、その時点で勉強してもらいたいテーマを見つけると、そのテーマにあった本をプレゼント(押し付け?)して、読んでもらうことがよくあります。 そのときも、「ザ・ゴール」という本を若手のH君に差し上げていました。 「ザ・ゴール」は全体最適化の重要性を物語風にまとめた本で、読み始めればサッと読める読みやすい内容ですが、なにしろ分厚い本です。 そのうえ、H君は極めて優秀な人で、そういう人ほどとても忙しい。正直いって、すぐに読み始めるのは無理かなと思っていました。 |
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ところが、です。 その忙しいはずのH君が、「ザ・ゴール」をあっという間にキチンと読んで、そのことを改善報告会で報告してくれたのです。 H君は生産管理を担当していて、いつも夜遅くまで残って仕事をしていました。 なぜそうなっていたのかというと、彼が管理している製品の組み立てに必要な部品がなかなか思うように入ってこないので、いつもその調整で帰りが遅くなっていたのです。 いろいろな所から部品が入ってくるのですが、Aの製品を作ろうとすると「この部品が足りない」、Bを作ろうとすると「あの部品が足りない」というように、なかなかうまくタイミングが合いません。 まして最近は、どこも増産傾向で、能力の限界で生産をつないでいるといった状態が続いているので無理がききません。 一つでも足りない部品があれば完成できないので、調整に大変な時間と労力を必要としていたのです。 ところが、その彼が最近は定時で楽々と仕事を終了してしまうというのです。 秘密は何か???!!! 今回のH君が取った手法は、カンバンを活用して、モノの流れを前工程押し込み型から、後工程引き取り型に変更したことです。 これまでは、それぞれの工程が自分の能率が高まるように、やりやすい順番に生産をして、それを後工程にそのまま送る押し込み生産をおこなっていたのです。 ですから、モノが必ずしも必要な順番に入ってきませんでした。だから、いつも何かが足りなくて、常に遅れた部品を督促したり、順番を調整したりしていたのです。 しかし、それをカンバンを使っての生産指示に変え、後工程引き取りができるように変えたのです。 すなわち、これまで曖昧であった生産ルールを見直して、後工程が必要とするモノを供給できる、はっきりしたルールを作ったのです。 もちろん、ルールの変更が効果をあげた背景には、現場で着実に改善活動をおこなってきたという事実がありますが、やはり最後の詰めはこのルールの適用です。 H君自身が、これまであんなに忙しかったのは一体何だったのだろうと驚いているくらいですから、周囲の人はもっと驚いています。 H君がおこなった改善は、非常にレベルが高く、誰でも簡単にできるものではありません。 しかし、このような結果を見ると、やはりどんな苦労をしてもこのレベルにはみなさんに到達してもらいたいと思います。 ところで、後工程引取りについては、11話にその効用を書きました。 生産管理の人たちが夜遅くまで仕事をしていて困っている会社の方は、ぜひご参照下さい。 みなさんの部下である若い方が、毎日の生産対応に追われて、まったく勉強することができないというのでは、会社は進歩できず、本人のためにもよくありません。 大変に厳しい時代です。これまでのようにいったん仕事に慣れてしまえば、あとは何とかなるという時代ではありません。 知らないことは勉強して、どんどん自分のものにしなければなりません。その上で、これから必要になる「最強のモノづくり」の実現に向けて改善を続けていくのです。 「時間がないではなく、時間をつくる」 今回はH君の発表を通じて私も多くのことを学ばせていただきました。 |
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【柿内先生の本】
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