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8柿内幸夫の「社長の現場改善」 41号 |
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「会社としてめざす高くて正しい目標」 |
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先日、NHKで「プロジェクト X」を見ていたら、ほんの短い時間ではありましたが、突然、私の知人が登場しました。
知人といっても大先輩なのですが、親しくさせて頂いていましたので、早速に手紙を書いて、私が感動したことをお伝えしました。 私はその方と長い間お付き合いしていたのですが、プロジェクトXで取り上げられるようなお仕事をしていたということをうかつにも知らなかったので、突然の登場にビックリしてしまったのです。 しばらくして、その先輩からお返事をいただきました。その内容は、 「当時ご自身はまだ若造で、大変な思いをして仕事をしていたけれど、プロジェクトXで取り上げられるような大きな仕事をしたとは思っていなかった。しかし今回テレビでこのように取り上げてもらい、とても嬉しかった」という内容でした。 私はそのお手紙を読んで二つのことを思いました。 一つは「このような大きな価値のある仕事をすることができた先輩は幸せだなあ」ということ。 そしてもう一つは、「その仕事が終了した時点で、周囲の人がその先輩の功績をもっとワイワイと讃えられなかったのだろうか?」ということです。 そもそも、先輩ご自身がその仕事の偉大さを認識しておらず、何十年も経ってNHKの取材を受けて、初めて認識したというのですから、とてももったいないなあと感じたのです。 39話で、オリンピックのメダリストがどうしてあんなにも私たちに大きな感動を与えてくれるのだろうかと考えて、二つの結論を出しました。 一つは目標が高いこと。そしてもう一つは、その成果が努力に裏付けられていることでした。 しかし、今回の出来事を通じて、もう一つ追加したいと思いました。それはその成果がみんなに伝えられることです。 「マズローの五段階欲求説」というのをご存知の方は多いと思います。 |
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一番ベーシックであり一番強いのは、「生理的欲求」、これがないとすぐ死んでしまう空気、水、食べ物といったものに対する欲求です。私たちは幸せなことに、この面においては全く不安がありません。 二番目は、「安全に対する欲求」。これも日本にいるとあまり意識をしないでも生きていけますね。ありがたいことです。 三番目は、「帰属に対する欲求」。私たちはやはり独りでは生きていけません。社会やグループに帰属することに対する欲求があります。 四番目は、「承認に対する欲求」。これは人に認められるということに対する欲求です。若い人がアイドルになりたいと考えたり、社会人になると昇進したいと考えるのはこの欲求です。 そして最後の五番目は、「自己実現欲求」。人との比較でなく、自分が立てた高い目標に対して、一歩一歩近づいていくことです。そしてこれが最高のレベルといわれています。 さて、オリンピックやプロジェクトXにおいては、どうなっているのでしょうか。 これは、明らかに4番目と5番目のレベルです。 このレベルの達成をできれば本人は幸せだし、周囲の人も感動を覚えるでしょう。 そして、このような高いレベルの欲求を満足できるような仕事のやり方がある会社は、絶対に業績がいいのです。 会社としてめざす高くて正しい目標を、みんなで共有化し、それを一人ひとりが自分の役割に応じて分担して真剣に取り組む。 そして、一歩一歩助け合いながらの前進をみんなで喜び合い讃えあう。こういう仕組みが欲しいのです。 大げさに聞こえるかもしれませんが、例えば、実行した改善を、ちょっとした時間を活用して発表しあうことだってその一つです。 私の指導先では、指導会の始めに簡単な発表会をすることが多いです。 小さいけれど、これだってマズローの4段階と5段階になるのではないでしょうか。 このごろは、ひと頃はやった管理技術中心の話だけでなく、人間中心の話が多くされてきています。とても良いことだと思います。 高い目標をみんなで助け合いながら達成し、成果をみんなで喜び合える職場。 これが改善の本質だと思います。 厳しい時代ですが、厳しいからこそ良いのです。簡単なことができても、我々は感動もできないし、想い出にもなりません。 |
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