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8柿内幸夫の「社長の現場改善」 40号 |
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「流れるモノづくり」 |
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3週間前の9月14日と15日に、大阪と東京で、「1個流し生産導入法」と題したセミナーを開催しました。
その時に、「流れ」というものがどうして必要かということを、理屈でなく、実際に目で見て身体を動かして納得していただく目的で、器材を使った実習をおこないました。 この実習は、今回のセミナーのために新しく企画したものなのですが、実行してみて私自身も準備の過程では気付かなかった多くの発見をしました。 そして、これはとても大切なことであると思いますので、この場を使って改めて解説いたします。 この実習では、6人1チームで化粧品を作る工程を、机上でシミュレーションしました。 (1)まず化粧品のビンにクリーム(実際は水色の砂)を詰めて という作業を4つの工程と考えます。 |
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セミナーの実習風景 |
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そして、これを以下のとおり、3つのパターンを想定して、それぞれ実行してみたのです。 最初の【パターン1】は、工程をクリーム詰め(3人同時)、キャップ閉め(1人)、説明書と一緒に箱入れフタ閉め(1人)、検査出荷(1人)の4つに分けて、それぞれの間の運搬を、3箱単位のロットで行なうという想定で実行しました。 短時間の作業の練習をした後で、各チームが生産を始めたのですが、そこで面白いことが起きました。 私はすべてのチームが前記の前提条件の下で、同時に作業をすることを指示したのですが、実際に作業を始めてみると、やたら早い時間で終わってしまうチームがいくつかありました。 しかし、作業者はみんなが素人と言っていい、ほとんど習熟していない人ばかりですから、動作スピードが特別に速いわけではありません。 よく見ると、すでに運搬ロットを3箱から1箱に変更していたり、工程間の助け合いを始めたりが起きていたのです。 これは反則です。 しかし、気持ちは分かります。なぜならば、このパターン1のやり方は、始めたとたんに、バカバカしいほどムダがあることが分かるからです。 手待ちは出るし、在庫はたまるし、一人が頑張っても全体の成果は上がらないし。だから、待ち切れなくてどんどん改善してしまうのです。 そこで私はこう申し上げました。 「今、皆さんは神様のような立場で工程を見ています。雲の上から、工場の屋根を透かして、ひと目で全工程を見渡すことができています。だから、バカバカしいということがすぐ分かります。 そして当日の実習では、【パターン2】として一人で「ロット生産」をやっていただき、最後に【パターン3】一人で「一個流し生産」を行ないました。 もうほとんどの方が、「一個流しのやり方にはかなわない」ということがわかっておられました。 しかし、これはご自分の目で見たからわかったのです。説明を聞いて、わかったのではありません。 この発見は貴重です。 私は、「これからは『セル生産だ』『カンバンだ』とかいう決まった答えがあるわけでははない」といつも言っておりますが、このシミュレーションで、あるべき姿を理解された方々は、ご自分の工場に戻って独自の流れ生産を作り上げていただけると思います。 手法ではありません、考え方です。 このごろ、トヨタ生産方式がまたブームになっているといわれています。しかし、トヨタ生産方式を「カンバン」とか「アンドン」といった管理方式の適用と考えては大きな間違いを犯します。 先日、大野耐一元トヨタ自動車副社長の講演CDを拝聴しました。「ご覧の通りの何の変哲もない男です」のご挨拶から始まる90分のお話は、トヨタ生産方式の真髄をしっかりと教えてくださいます。 方法ではありません。正しい経営の考え方です。何度も何度も「これはなかなか分かってもらえないが、やはり、つくり過ぎはいかん、流れでつくる」と繰り返されます。 今のような変化の大きい時には、やたら新しい管理方式やシステムが登場し、それさえ導入すればすぐ良くなるといった宣伝がなされます。 しかし、そんな簡単なものとはとても思えません。どうぞ本物の考え方をベースに、皆さまにあった「流れるモノづくり」を構築してください。 |
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