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8柿内幸夫の「社長の現場改善」 36号 |
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「作業者にお願いするコツ」 |
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前回、レベル1の「工程内の流れ」を作ることは、決して簡単なことではないが、だからと言ってものすごく難しいものでもありません、と申し上げました。
そして、なぜ難しくないかというと、実行すること一つひとつは、これまでにもそれなりにやってきたことが中心だからということでしたね。 しかし、それなりにはやってきたかもしれませんが、レベル1は組立工程の中に、マーケットの要求に合わせてその通りに組み立てる流れをつくるためのステップですから、まあまあのレベルで満足するわけにはいきません。 最後まで、そして、出来るまできちんとやるということになります。 先日、私の指導先の会社の社長さんから、「友人が経営する工場で組み立てにセル生産を取り入れ始めたと言っているが、何か変なので見てやってほしい」と頼まれました。 そこで、少しの空き時間を使って、その工場にお邪魔することにしました。 挨拶もそこそこに現場に行くと、そこの工場長が、以前は大きなコンベアーでガンガン造っていたのだけれど、勇気を出してコンベアーを取り去って、ラインをUの字型に並べて、セルラインをつくったという説明をして下さいました。 ただ、私は工場長の説明を聞きながらとても困っていました。どうコメントするのがこの工場の将来に一番良いかが、すぐに思いつかなかったのです。 理由は、コンベアーを取り去った以外は、何にも変えていないように見えたからです。 ラインの長さも、U字型にしたので短くなったように見えますが、まっすぐに直せばほとんど変わっていないようですし、中で働いている人たちが、自分たちのまわりにいっぱい中間在庫を持っているのです。 そして、驚いたことに全員が以前と同じ「座り作業」でした。 「この形に変えてから生産性や品質はどうなりました?」と聞くと、「まだ成果は上がっていません」という返事でした。 この工場では、これまでほとんど改善活動というものをしたことがなく、今回も社長がいろいろな人から「セル生産をしないと、生き残れないよ」と、散々言われて、工場長にとにかくやれと命令したようです。 そして、工場長は自分ひとりだけで出来ることのみを思い切ってやってみたわけです。 ですから、「一人で一回つかんだら放さないやり方」とか「立ち作業」といった、作業者にお願いすることは一切やっていないのです。 なぜ、これではいけないかを社長と工場長の前でいくらしっかり話しても、こんなに突然ではきっと分かってはもらえないだろうなあ、と思いました。 ここは学校ではないですから、出来ない人に低い点をつけておしまいという訳にはいきません。 出来るようにしなければ意味がない、しかし時間があまりにも少ない。 そこで私は社長、工場長の二人に加えて、3人の作業担当の方にも来てもらい、セル生産のミニレクチャーを始めました。 まず最初の一言は、「良くここまでやった」というほめ言葉で始めました。そして、「あと少しで、スゴいことが出来るから、頑張ってほしい」と言いました。あと少しとは、「一回つかんだら放さない一人生産」と「立ち作業」です。 一人生産のほうは賛成してもらえました。作業者の皆さんは、すでにすべての工程の仕事を出来る力をお持ちでした。 しかし、立ち作業に対しては、非常にいやな顔をされました。 気持ちはよく分かります。 実際のところ、きちんとした条件の下での立ち作業は座り作業より疲れないのですが、これまでズーッと座っていた方に「突然立て」となると心配になるものです。 私はあと一時間もしたらいなくなる立場です。 ここでいくら正しい理屈をしゃべっても、納得してもらえなければ、絶対に立ってはくれません。かといって、後で工場長一人にそれをやらせるのは無理かなとも思いました。 そこで、たまたま持っていた資料を使って、いかに立つと身体に良いかの説明をしました。 ところで、日本で一番健康に詳しい人は誰だと思います? 答えは、あの女性に大人気の司会者「みのもんたさん」です。 そのみのさんが、2003年4月20日の日経新聞の健康欄で、 「最近、人から健康法を尋ねられることは増えたが、その時、僕は決まって『あなたふくらはぎを鍛えなさい』と答えている。重力で下がる血液を心臓まで送り返すのだから足は重要。このポンプアップ機能が衰えると、血液の浄化がうまくいかなくなるというのが僕の理論だ。僕がほとんどの番組で立ったまま司会をしているのはこのためだ」と話しています。 |
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実際、この資料を使って現場の方々にお話したところ、笑いながら納得してくれました。そして、その場ですぐに実験。すぐできました。多分うまくいくと思います。 しかし、この話でもわかるように、ちょっとしたことでもけっこう難しいのです。しかし、その一つひとつをみんなでしっかりとやり遂げる必要があるのです。 お互いに一歩一歩しっかりと前進してまいりましょう。 |
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※柿内先生に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。
okada@jmca.net |
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