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8柿内幸夫の「社長の現場改善」 35号 |
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「流れの改善は後工程に成果が現れる」 |
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前回、「発生型の問題」と「達成型の問題」の二つをご説明いたしました。
今回お話しするレベル1の「工程内の流れ」を作ることは、もちろん、後者の「達成型の問題」に対するチャレンジです。 けっして簡単なことではありませんが、だからといって、ものすごく難しいものでもありません。 「簡単ではないが、難しくもない」とは、ずいぶんと曖昧な言い方をしてしまいました。もう少し、ちゃんと説明します。 これからの時代に成果を上げる改善は、これまでに経験してきたような、優秀な担当者一人が頑張れば何とかなるといったものではありません。 個人の動きでは、どうしようもないことが多いのです。 そこで社長を筆頭に全員の力を結集することが求められます。 私はこの二つのことを「個別最適」と「全体最適」という言葉を使って表現していますが、後者の全体最適系の改善は、今まではあまり見かけません。 ですから、簡単ではないのです。 15話に書きましたが、ゴーン社長が来る前のヨタヨタだった日産自動車は、完全な個別最適、その後の立派な日産自動車は全体最適系の会社になっています。 しかし、この改善はとてつもなく難しい専門知識や莫大な投資が必要ということでもありません。 実行する改善一つひとつは、これまでにもやってきたことばかりです。 例えば、「段取り改善」とか、「多能工化訓練」あるいはもっと基本的なところでは「5Sの実行」です。ですから、難しくはないのです。 あともうひとつ、社長に知っておいて頂きたいことがあります。 意外かもしれませんが、人の評価の仕方をこれまでとは大きく変える必要があるのです。 それは、これから行なう流れの改善の場合、改善の成果が改善を実施した工程ではなく、後の工程に出てきます。 例えば、プレス部門が、一生懸命に段取り替え時間の短縮を行なったとしましょう。 以前でしたら、短縮されたその時間を生産に活用して、生産量を上げたり、能率を上げたりしたかもしれません。つまり、自分の工程(プレス部門)に改善の成果が現れたのです。 しかし、流れの改善を目指していくと、改善した分だけ段取り替えの回数を増やして、ロットサイズを小さくします。 そこでプレス部門の人の中から疑問が出てきます。 「こんなに一生懸命に、段取り替え時間短縮のために改善をしたのに、空いた時間に生産を行わないどころか、もっと頻繁に段取り替えをするようになった。それでは結局、プレス部門の生産量と能率は前と同じではないか。 このように、大きな改善を実行したプレス部門の人たちには、なかなか今回の改善で何が良くなったのか、自分たちでは見えません。 ところが、後工程の人たちには、はっきりと成果が現れています。 まず、一回のロットが小さくなったので、倉庫に入れておくプレス中間在庫の量が減りました。 それで、運搬の人は、倉庫の出し入れが減ったので大助かり。さらに、こまめに段替えを行なうことによって、プレスの生産がかなりフレキシブルになり、その結果、以前と比べて部品切れが大幅に減って、後工程の人は大喜び、その結果、全体の在庫が減り始めて、社長はキャッシュが浮いてきて大仰天、といったことです。 このようなことが起きた場合、例えば、製造現場の評価を生産の達成と能率の向上で行なっていた会社では、評価基準を変えなければいけません。 最も貢献したプレス部門の人たちが、生産と能率が上がっていないという理由で、低く評価されては困ります。 要するに、これまでは個別最適の考え方ですから、頑張った人は自分の工程で良い成果が出るようになっていました。 しかし、全体最適を目指す流れの改善ではそうはいきません。後工程に成果が出てくるのです。 繰り返しますが、それぞれの人が能率向上とか、生産能力の向上といった個別の目標が与えられて、みんながそれぞれに頑張ったとしても、会社は必ずしも良くならないというのが今の時代です。 |
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これまでに何度も言いましたが、見かけの能率向上になってしまっては、何の成果も得られない。 私たちは、生産性向上と在庫削減を同時に達成する真の能率向上をしなければならないのです。そして、そのためには、流れの改善をする必要があるのです。 いろいろなことを言いましたが、私が言ったことを信じて実行していただきたいと思います。 先のプレスの例でお分かりと思いますが、見かけの能率は下がっても、流れを目指して改善をすれば、会社は儲かるのです。 下の「儲かる」という字をよーく見てください。左から信者と書いてあるでしょう。 |
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真のコストダウン、すなわち、儲ける方法は、「生産性向上×在庫削減」。そして「流れの改善」です。 これから始まる流れの改善の勉強にぜひとも信者になって実行をして頂きたいと思います。 |
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※柿内先生に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。
okada@jmca.net |
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