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8柿内幸夫の「社長の現場改善」 31号 |
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「将来生き残れない会社が過去にやってきた改善」 |
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私は、日本の製造業は間違いなく強い競争力をもっていると思っています。 この話は、前回の第30話で詳しくお話しました。 そしてその中に、どうなれば生き残れるのかについては記載しましたが、今回はこのままでは生き残れないと思われる企業は、現在どういう状態なのかについて述べてみたいと思います。 このままではダメだといっても、日本国内にはこれまでにも厳しい競争がありました。その日本でこれまで勝ち抜いて生き延びてこられたということは、少なくともそれだけの何かがあったはずです。当然、何らかの改善をしてきたに違いありません。 私がここで、このままでは生き残れないという会社がこれまでにやってきた改善は、次の二つだと思います。
1. 品質および安全に関する改善 2. まとめ造りや設備のスピードアップ等による能率向上活動や、 1.の内容は、これから先もこれまで同様にしっかりと進めていくことが大切です。品質と安全は、いつの時代でも何にもかえがたい重要なテーマです。 しかし、2.の内容はいけません。 これは、マーケットを無視したプロダクトアウトの作り方です。それでも作ったものが何とか売れた時代なら、これでもボロは出なかったのですが、今のようにマーケットインがさらに顕著になってくると、そういう改善はむしろやらない方が良い時さえあるのです。 時代の変化に、気づく必要があります。過去の成功事例は、必ずしも正しくありません。 たまたまその時代であったから、ボロが出なかっただけであり、本質的な改善とはいえません。やはり、「流れ」を意識して、レベル6を目指してレベル1から始めて着実に改善するのです。 2.の改善のみでいる工場は、必ずレベル0です。 今、私の手元に2002年2月4日に掲載された「産業力」という日経新聞のコピーがあります。今回の話に関連があるので書き写します。
米ハーバード大ビジネススクールなどが、異例の事例研究を進めている。 教授たちが、三年にわたり追いかけているのは、大阪市にある社員百人弱の会社、ダン。 情報システムを駆使し、在庫と欠品をなくすビジネスモデルを、「日本の新しい競争力」と見たからだ。 製造小売のダンは、国内七工場と約二百の販売店をオンラインで直結、五千種類にも及ぶ靴下の売れ筋を瞬時に把握する。 工場は好調な商品を翌日に補充、不調なら生産を即刻止める。 「売り逃しと売れ残りをなくせ。日本の勝機はそこだ」。社長の越智直正(62当時)の号令がやまない。 ******************************** アメリカの大学の教授は、毎回、学期終了後に学生から講義内容の評価をされるようになっています。「授業内容はどうだったか」「分かりやすかったか」といったたくさんの項目で質問がおこなわれ、結果は公表されます。 ビジネススクールにおいては、その中でも、教授がケーススタディで使用したケースがどれだけ良いものであったかというのが、重要なポイントになります。 10年前からずっと同じものを後生大事に使っているといったことはありえません。そうすると、教授には、常に世の中に目を向けて、誰よりも先にすばらしいビジネスモデルを見つけて、すばらしいケースを書くことが求められていることになります。 そのアメリカのビジネススクール中でも、とくに優秀といわれているハーバード大の教授が目をつけたところはどこか! 工場をマーケットと極めて短い距離と時間で結んで、「売り逃しと売れ残りをなくせ。日本の勝機はそこだ」といっている越智社長の考え方だというわけです。 そして、これがまさに「生産の流れ」のことになっています。 まとめて買って、まとめて作ってコストを下げる、の対極の考え方です。 |
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