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柿内幸夫の「社長の現場改善」 27号 |
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「5番目のS(躾)」 |
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今回はいよいよ最後、5番目のSである躾(しつけ)についてご説明いたします。 躾(しつけ)とは: 体質の維持 なんとも簡単な定義ですが、とても重要なことです。 五重の塔構造の5Sの仕上げですから、ぜひとも真剣に読んで、しっかりと実行に移していただきたいと思います。 |
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私はこの躾を二つのステップに分けて説明しています。 一番目はルール化です。 これまでの5Sの流れを振り返ると、最初はゴチャゴチャの現場から、まず整理で「要らないモノ」をどけました。その結果、現場がスッキリしました。 「要るモノ」も「要らないモノ」も、すべてがゴチャゴチャと混在していたら、使いやすいように置き場所を決めるのも大変な仕事になります。 その状態をきちんと整理をした結果、「要るモノ」しかありませんので、簡単に整頓ができる状態になりました。 その結果、置き場所もしっかりと見えるようになり、後戻りすることもなくなりました。 ところが、置き場所が決まっていないと、昨日は何も置いていなかった場所が、今日はモノでふさがっているといったことが起きてしまい、掃除もやりにくいです。 しかし、整頓の結果、いつも掃除がやりやすくなり、その上に清掃性を高める工夫もしましたので、清掃も簡単で、いつもきれいな職場が維持できるようになりました。 ここまで来ると、この良い状態を維持したい気持ちをみんなが持つようになるので、そのためのいろいろな工夫が行われます。その結果、工場が清潔になります。 ところが、工場は変化の連続です。造るモノの量や内容は常に変化しますので、表示はすぐに古くなります。時間が経てば引いた線も、だんだんに消えていきます。そのうえ、人も替わります。 そうすると、この5Sというものは、一回やると終わるものではなく、その後の継続的な教育やメインテナンスを前提としたものであることが分かります。 そうなると、そのためのルールをみんなで作ってみんなが守るということがないと、せっかくここまで来た5Sもズルズルと後退しかねません。 「この線を越えそうになったら生産を止める」あるいは「この線を切りそうになったら生産を開始する」というのもルールです。 さらに、線が消えそうになったり、商品や生産量が変わったときは、「○○さんがそれらを書き直す」と決めておくのもルールの一つです。 整理から始めないで、突然にルールだけを作っても実行できないので「絵に描いたモチ」になってしまいますが、五重の塔のように下から順々に積み上げてくると、守れるシンプルなルールが作れます。 そして、二番目はこれまで述べてきたことを愚直に実行し続けることです。 常にスッキリした気持ちのいい職場で、良いモノを要るだけ流れるように造ることができる環境を、みんなで維持することが当たり前のようになって数年間が経ったと考えて下さい。 その会社の体質は、明らかに良い方向に変化し、新たな文化として定着していることでしょう。 5S最後のSである躾は、このようにとらえてほしいと思います。5Sは今日始めて明日から効果が出るというものではありません。 ここで中村天風先生の言葉を引用して、今回のお話を終わりにします。 「習慣は第二の天性、習慣がついてくると簡単にできるようになる」(中村天風述「君に成功を贈る」より) 「たとえば、知らない土地にいった。目的の場所がわからない。その土地の人から目的の場所にいく道すじをきいた。その道すじをどんなにくわしく説明され、わかったとしても教わったとおりに実際に歩きださなきゃ目的の場所につきっこないよ」(中村天風述「心に成功の炎を」より)
追 記 あるアメリカの会社で見かけた5Sの定義をご紹介します。日本語よりもずっと分かりやすいと思いました。 整理 : Separate and Scrap 分けて捨てる 整頓 : Straighten まっすぐ置く 清掃 : Scrub こすり落とす 清潔 : Spread 広げる 躾 : Standardize 標準化する |
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