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柿内幸夫の「社長の現場改善」 25号 |
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「飴(アメ)と鞭(ムチ)」 |
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先日、この連載を読んで下さった、ある会社のC社長から質問を受けました。 「5Sは以前からやっているし、柿内さんが連載の中でおっしゃっていることも、ほとんど知っています。しかし、どうも従業員がなかなか乗ってこない。いろいろ言うけれど、結局は『飴(アメ)と鞭(ムチ)』を使い分けなければダメなんですね?」ということでした。 私自身は、いままで「飴と鞭」という言葉を使ったことがなかったのですが、確かにそのようなことは必要だと思っているので、「そうですね」とお答えしました。 しかし、そう答えた直後に、C社長と私(柿内)が本当に同じことを考えているのかどうかが心配になって、次のような解説を加えました。 「飴と鞭」という言葉はよく使われていますが、実際の5Sの現場での「飴(アメ)」とは何か、「鞭(ムチ)」とは何かをしっかり理解していないと間違えますよね、と。 たとえば、整理・整頓・清掃の3Sがしっかりと維持されていたら、その場で「いいじゃないか、がんばってるな!」と必ず誉めてあげること。これが「飴(アメ)」。 反対に、少し乱れてきたら、その場で間髪を入れずに、「これはダメだ、すぐに元のレベルに戻せ! それとも何か問題があるのか? もし問題があるなら、一緒に解決しよう」とフィードバックする。これが「鞭(ムチ)」です。 実際に現場で様子を見てみると、できていないことに対しての鞭(ムチ)の方は、どの会社でもたっぷり使われているようです。 たとえば、私の指導日に、一緒にいた社長が、5Sの状態がよくない現場を発見して、その場で突然、怒りだすという場面がたびたびあります。 ところが反対に、同じ社長が、高いレベルの5Sが維持できている現場を発見しても、そこの責任者や担当者を誉めてあげるという場面には、なかなかお目にかかりません。 もちろん、ふだんから現場をしっかり見ていて、ちゃんと声をかけてあげているのでしたら、それでいいのですが、そうではない状況で、基本的には怒るだけというのは、いかにもバランスが悪い。 それでは、鞭(ムチ)は持っているけれど、飴(アメ)は持っていない、「飴(アメ)と鞭(ムチ)」ではなくて、「鞭(ムチ)のみ」になってしまう。 このような場面に遭遇すると、私にはいかにこの社長がふだん現場を見ていないかがわかるので、逆に、私が社長に鞭(ムチ)を差し上げることになります。 |
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本当に何回も繰り返して、耳がたこ状態になっている読者がいるかもしれません。それでも繰り返します。 5Sはたんなる掃除ではありません。 5Sは、モノづくりにおいて、問題を発見して、改善を進めるためのツールであり、その過程を通じて、人を育てることができる、すごい道具なのです。 できれば、社長は現場に出る前に、ポケットに飴(アメ)と鞭(ムチ)の両方を入れて、現場を見てまわってください。 そして、それぞれの現場で、飴(アメ)や鞭(ムチ)を配って歩いて、そのあと社長室に戻って、飴(アメ)と鞭(ムチ)のそれぞれ使った数を数えてみてください。 鞭(ムチ)ばかりを使ったというのでは、現場は育ちません。もう一回、全員で赤い札を貼ってみましょう。そして、社長も一緒になって、テーマを見つめなおしましょう。 反対に、飴(アメ)ばかりを配ったという場合は、そろそろ目標レベルを上げる時期が来たと考えましょう。さらなる飛躍がのぞめることでしょう。 |
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