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柿内幸夫の「社長の現場改善」 21

今年も「幸運の女神」をつかまえよう!

 新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。今年が皆様にとって良い年でありますことを、心より願っております。

 そこで、今回は新年の第1回目ということで、改善の具体的なお話ではなく、まったく違う、「幸運の女神」についての話をします。

 ところで、幸運の女神はどういうお姿をしているか知っていますか?

 私はいろいろなところで聞いたり読んだりしているので、けっこう有名な話だと思います。

 彼女は前髪がフサフサなのだそうです。ところが頭の後ろ側はどうなっているかというと、これが見事なツルッパゲ、ツルツルだそうです。

 ですから、彼女が正面から近づいてきた時にサッと手を伸ばして、グイと前髪をつかんで引き寄せれば、抱きしめることができるのですが、ちょっとでも後回しにしてしまって、通り過ぎてしまった後で振り返ってつかもうとすると、後ろからはツルツルなのでつかめないのです。

 つまり、幸運の女神は自分から進んでとらえなければダメで、周りの人の様子を見たうえで後からついて行こうなんて考えていてはダメだということです。

 私はこの話に付け加えて、現場の人たちに次のような説明をしています。

 それは、その女神様はどういう格好をしているかについてです。

 多くの人は、女神様だから、そのお姿は神々しかったり美しかったりと思っていることでしょう。前髪は金髪でさらさら。きれいな服を着ていて、良い匂いがして、場合によっては、後光がさしているといった具合です。

 ところが、これが全く違うのです。

 前髪は確かに長いのですが、汚れてべたべたでフケも浮いています。服もぼろぼろで何やら変な臭いがします。肌も垢だらけでよく見るとカサブタもある。もし真正面から近づいてきたら、思わず道をあけたくなるような出で立ちです。

 ですから、彼女が近づいて来ると、ほとんどの人が避けている。しかし中には勇気を出して、彼女の前髪をグイとつかんで抱きしめる人がいる。そうすると、あらびっくり、一瞬のうちに、その汚い彼女が美しい女神様に変身するのです。

copyright© saburo

 さて、新年早々、みなさんに何がいいたいのかというと、 みなさんは、私から課題を出されることを、決して嬉しく思わないでしょう。
 ただでさえ、忙しいのにもかかわらず、考えて現場を変えろと言われてるし、内容もだんだんと難しくなってきて、うまくいくかどうかもわからない。

 いやでしょう、逃げたいでしょう。

 じつは、その正体こそが、みなさんにとっての「幸運の女神」なのです。

 だから、嫌でもつかまなければいけないのです。だってつかまえてしまえば、幸運の女神に変身するのです。

 ここで、昨年一年間を振り返ってみてください。

 一年前に在庫というものがどんな意味を持っているか考えていなかったでしょう。一年前とくらべて、みなさんの現場は変わっていませんか。

 変わっていなかったら、女神の前髪をつかまえなかった人です。

 そうではなくて、私が言ったことをきちんとやってくださっていれば、必ず現場は変わっているはずです。「イヤだなあ」「避けたいなあ」と思いながらも、思い切ってやった人は、一年前にくらべて、現場がよくなっているはずです。つまり、女神の前髪をつかんだ人です。

 今年も元気に幸運の女神を引き寄せましょう。ただし覚悟してください。今年の女神様は、去年の女神様よりも、ひときわ汚くて近寄り難いですよ。

 さあ、新しい年のスタートです。今年も我々製造業に対する厳しさは、変わりません。でも、絶対に大丈夫、勇気を出して、幸運の女神の前髪をグイとつかんで引き寄せましょう。

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