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「在庫削減」は銀行の金利分? |
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前回、コストを下げるためには、「生産性向上」と「在庫削減」の2つを、同時に進める必要があると申し上げました。
しかし、「生産性向上」には慣れているけれど、どうも「在庫削減」がうまく進まないという会社が多いのが現実です。 なぜでしょうか? 答えは簡単、在庫削減の重要性が、分かっていないからです。 しかし、経営者には当然わかることでも、社員には「コストと在庫の関係」を専門的に説明されても、そう簡単に理解できるものではありません。なにしろ、これまでは、その件についてほとんど聞いたことがないのですから。 コンサルタントである私としては、何としても、この大切なことを、モノづくりの現場の皆さんに理解していただいて、早急に改善を始めてもらわないと困ります。 そこで、あの手この手を使って、何とか理解をしてもらおうとしています。そのうちの一つが、「在庫にかかわる、たとえ話」を使っての説明です。 ところが、意外にも、それらの話が役に立つことがわかってきたのです。そこで、今回から、たとえ話のいくつかをご紹介させて頂きます。 ある会社のA課長さんが、部下と話をしていた時のことです。 このような、極めて基本的なことでも、意外と曖昧な理解がされている場合が多いのです。すると、そのA課長が答えて曰く、「銀行の利息分、儲かるよ」。 もしそうだとすると、現在の銀行借入の利息はとても低いので、一生懸命に在庫を減らしても、その割には儲からない計算になります。「在庫削減といっても、たいしたことない」という雰囲気になりました。 経営者の方が聞いたら、その場で血管がぶち切れるような会話です。 「在庫削減が利息分の低減にしか効かないとは何事か。俺がフリーキャッシュフロー(余剰資金)を増やそうとして、どれだけ苦労しているか、いつも話しているだろうが!」と、怒鳴り声が聞こえてきそうです。 そこで私はこんな「たとえ話」をしました。 「実は一年前に、私(柿内)はA課長から一年後に返しますと言って10万円を借りました(もちろん架空の話)。そして、今日が返す約束の日。 A課長は昨夜、奥様に「柿内から10万円が返って来るから、来月は温泉に行こう」と約束をしました。しかし、当の私は、そのお金を返す気がまったくない。 当然、A課長は怒って、突然、私の首を絞め始めます。 さあ大変、この時、皆さんは私とA課長のどちらの味方をされますか? A課長に対して、「課長、大人気(おとなげ)ないことをしないで下さい、柿内は利息を払うと言ってるんですから、勘弁してやるべきです」と言いますか? それとも、私に対して、「柿内よ、借りたお金は返すものだ、すぐに10万円を工面しなさい!」と言いますか? さて、私とA課長のどちらが正しいのでしょうか。 もちろん、A課長が正しいです。 A課長が言った「在庫を減らすと、利息分が儲かる」という答えは、間違っているのです。 さらに私は、10万円というお金をもし現金で会社の金庫にためようとしたら、どれだけの苦労が必要か、A課長に話します。 まず、会社が利益を出していたとすると、その10万円には約50%の税金がかかりますから、その倍の「20万円」を儲けなければなりません。そのためには、売上高利益率が2%とすると、その50倍の「1000万円」の売上が必要です。 しかも、その1000万円の売上を上げるのに販促費を使うと、儲けとして10万円が残らないので、一切の販売経費をかけることができません。 そして最後に、私からA課長に質問します。 |
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考えてみてください。 ここまで話すと、少しずつ、経営において在庫削減がいかに大切なことかが、分かったような気になってきます。しかし、本当に分かってもらうには、まだまだ時間がかかります。 「造れば売れた」「銀行に頼めば、不動産を担保にお金が借りられた」といった、バブルの時代の幻想を、未だに引きずっていては困ります。 お金に関する考え方は、その頃とはまったく違います。 「利息分しか儲からないなら、在庫はそんなに減らさなくてもいいかな」などと考えてしまうのです。そんな考えでは、会社はつぶれてしまいます。 ですから、少しでも多くの方に、在庫削減の重要性を理解してもらいたいと思います。 |
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