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柿内幸夫の「社長の現場改善」128

「情報交換力はブレーンストーミングから」

 本格的な花粉の季節になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。私はくしゃみのし過ぎで、少々声がかれてしまいました。

 私の花粉症は筋金入りです。40年以上前からずーっと花粉症です。すごいでしょう。

 40年前ということは、高校生です。なぜそんな昔のことを覚えているかというと、この時期、私が通っていた高校の体育の授業は柔道でした。

 私は常にハナをたらしていましたので、組み合った相手の袖口にハナがたれるのです。

 一瞬、相手の気が袖口に向いた瞬間に…という卑怯な手を使って、けっこう強かったことを覚えているのです。

 実は、当時私は、いつも風邪を引いているのだと思っておりました。花粉症という言葉は知りませんでした。もしかすると、当時はまだその言葉がなかったのかもしれません。

 ですから、こんなふうにクラスでただ一人、いつも風邪を引いていたのでは、立派な大人になれないのではないかと本気で心配していました。

 嬉しいことに、今は花粉症だと分かっているので、昔のように心配はしていません。立派な大人になれていないということは、相変わらずの心配事ではありますが…。



《長野県茅野市にて、移動中の車窓から》
天草を凍らせて干して、寒天をつくっている風景です。

 では、今回は再び「情報交換の力」の話をします。

 先日K県のM社で仕事をしていた時の話です。K社長と改善チームの皆さんと一緒に、現場を歩いていたのですが、一人の女性が作業机で書類を仕分けしていました。

 作業机といっても、普通の座り机を二つ並べたもので、そこで立って仕分けをされていたので、とても姿勢が悪く、大変そうでした。

 そこで私は、こんな姿勢で仕事をするのは大変だから、机の高さを上げるか、あるいは背の高い机をどこかから探してこようという提案をしました。

 そこでみんなが机の話を始めてくれるハズ…だったのですが、そうはなりませんでした。K社長がその仕事の意味をみんなに尋ねたのです。

 すると、連番が打ってある書類の順番が崩れているので、元の順番に並べ直しているという答えが返ってきたのですが、社長の質問がきっかけになって、みんなからその仕事について、いろいろな意見が出始めました。

 そして、最終的には、並べなおしという仕事そのものをやる必要が無い、という結論に至ったのです。やらないでいいのですから、それがベストです。

 その時、私は少し恥ずかしい気持ちがしました。なぜならば、本来であればプロのコンサルタントである私が、一番立派な改善案を出すべきであると思うのですが、私の改善案が最もレベルが低かったからです。

 やらずに済む仕事であることに気付かないで、その仕事の改善案を出してしまったのですから…。

 ただ、実は満足もしています。私のトンチンカンな提案がきっかけになって、最終的にはベストの解が得られたのですから。

 もし私が何も言わずに通り過ぎたら、この改善は行われず、彼女はずっと悪い姿勢のまま仕事を続けていたと思います。

 ここで言いたいことは、現場の改善を上手に進める方法として、現物を前にして、とにかくいろいろなことを口に出してみることが、大切だということです。

 これも「情報交換の力」だと思います。こんなこと言ったら笑われるかもしれないとか、間違っていたら恥ずかしいといった気持ちは、誰でもが持っていると思います。

 しかし、そんなことを気にしないで、みんながいろいろなことを、現場で現物を前にしてしゃべると、現実的な答えが出てくるのです。これが三現主義ですね。

 一人で出来ることには限りがあります。「三人寄れば文殊の知恵」というのは有名な言葉ですが、何人いても、ただ黙っていたのでは何も生まれないでしょう。まずは考えを声に出さなければ無理です。

 余計な心配をしないで、いろいろなことを言い合いましょう。常にブレーンストーミングです。その結果、「情報交換の力」が高まるのです。


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