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柿内幸夫の「社長の現場改善」 09号

サプライチェインの≪4つの重要ポイント≫

 今回は、前回に引き続き、サプライチェインについてお話をいたします。

 サプライチェインは、下の図のような供給の連鎖といわれる鎖です。
 この絵でいうと、左側が上流で、右側に向かってモノが移動します。大きく考えると、左側は「企画」であったり、「設計」であるといえましょう。

 しかし、今回はモノづくりということで、工場の中でのサプライチェインとして話を進めることといたします。

 そうすると、一番左が「材料」であり、一番右が「検査」「出荷」を経て、「お客様」となります。

 そう考えると、このサプライチェインでは、モノが左から右に、すなわち「材料」から「お客様」の方向に向かって動きます。

 では、この鎖を、今申し上げた通りに、左から右へ動かしてみてください。
 まず、左の端をグーッと右に向かって押してみましょう。

動きますか? 動きませんね。

 鎖ですから、左から右に向かってガシャガシャと重なり合ってしまうでしょう。
 そうなんです、鎖は押しても動きません、引っ張るのです。
 右に動かすためには右端を持って右に向かって引っ張らないと動きません。

 【マネージメント1
 
サプライチェインはお客様の側から引っ張らないと動かない。


 そうか、引っ張れば良いのかとわかって引っ張ってみました。
 ところが次にまた問題が発生しました。

 鎖の輪と輪の間の重なりが大きいので、いくら引っ張っても、ガシャガシャと隙間が埋まるだけで、なかなか左側の輪が動き出しません。この隙間は在庫です。

 【マネージメント2】
 サプライチェインは在庫が多いと動かない。


 そこで、輪と輪の重なりをなくして、改めて引っ張ろうとしたところ、また、問題が発生しました。

 鎖がプツンと切れてしまったのです。
 丈夫そうに見えた鎖でしたが、実はたくさんある輪のうち、たった一つだけですがとても弱かったのです。

 まるで紙のこよりで出来ているようなチャチな輪です。これがボトルネックです。

 鎖の強さというのは、平均値でも合計値でもありません、一番弱い輪の強さが、全体の強さを表します。
 ですから、この場合は全社の総力を結集して、このボトルネック工程を強化しなければなりません。

 よくある話ですが、全部門に対して、昨年実績に対して10%の向上といった焦点の定まらない目標を出してしまうと、ボトルネックの工程も10%しか良くならないのです。

 この場合は、他の部門の人も、自分の工程の改善は後回しにして、この工程の改善に参加します。そして、全員で、このボトルネック工程を10%ではなく2倍とか3倍の能力に変身させてしまうことです。

 【マネージメント3】
 サプライチェーンはボトルネックがあると切れてしまう。


 さて、「これだけやれば、もう動くでしょ」と思って、「エイヤッ」と引っ張って見たところ、それでも動かない!
 今度は、鎖の輪がとても大きいので、重すぎて動かないことが分かったのです。この大きさはロットサイズです。

 この輪の一つひとつを、小さくして、小さくて短い鎖にします。
 その結果、軽くて、細くて、短い鎖が、何本も出来ます。
 この場合の長さは、リードタイムです。

 【マネージメント4】
 サプライチェーンはロットサイズが大きいと動かない。

 いかがでしょうか、これがサプライチェーンマネージメントです。

 言われてみれば、当たり前のことばかりかもしれませんが、すべて現場のモノづくりにかかわることです。
 決してコンピューター上の話ではなく、モノづくりそのものといえるのです。
 だからこそ、基本的な現場改善が大切だといえるでしょう。
 そして、この改善が「社長のための整頓」につながるのです。

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