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柿内幸夫の「社長の現場改善」 07号

信じられますか?「整頓」で生産性30%向上

 先回までで、5Sの必要性と整理についてお話してきました。今回は2番目の「S」である「整頓」についてお話いたします。

 整理活動(赤札)を済ませた後の現場には、必要なモノしか残っていません。不要なモノはありません。しかし、ここで喜んでしまっては、また、すぐ元の状態に戻ってしまいます。

 なぜなら、まだ仕組みを作っていないからです。元に戻らないように、必要なモノひとつひとつの置き場所をきちんと決めて、しっかりと表示をする必要があるのです。

 整頓の定義:必要なモノが、自分および後工程にとって使いやすいように置き場所が設定されており、それが誰にでもわかるように見える管理がされていること。

 まずは、「自分にとって使い易いやすい置き場所」についてお話したいと思います。

 製造現場で、作業台上のモノの置き方を見ると、けっこう高い割合で、昔5Sを実行したときの名残で、置き場所が決められているのです。
 ところが、その置き場所の決め方が、中途半端です。けっして、悪いということではないのですが、では、この置き方がベストといえるかというと残念ながら「ノー」なのです。

 しかし、作業担当者と一緒に、その場で使い易い置き方を話し合って、チャチャチャと部品や工具を並べなおしてみると、即座に、能率が10%くらい上がってしまうことはけっこうザラにあります。

 身近で簡単なことなのですが、何故か手がつけられないままに放置されています。しかし、もし、これを全社で実行したら、生産性が一気に10%向上するのです。

 何故、やらないのでしょうか? 
 やれば、必ず成果が上がるに決まっている職場であっても、なかなか実行しません。「一人ひとりに教育するなんて大変だ」とか「そんなことはすでに出来ているはず」とかいった答えが、多く返ってくる気がします。
 しかし、このレベルのことは、すでに中国では実行されているのです。

 一番上の写真は、生産量がなかなか上がらない作業者の手元を、ビデオで撮っているところ。
 二番目の写真は、それをスタッフが分析しているところ。
 三番目の写真は、その結果を使って、モノの置き方や手の使い方を指導しているところ。生産性が簡単に30%向上しました。
 そして、最後四番目の写真は、その結果をみんなに報告して、これからこの改善をみんなでやろうという決意表明をしているところです。

(下の写真1)生産量がなかなか上がらない作業者の手元を、ビデオで撮っているところ
(下の写真2)撮影したビデオを見て、スタッフが分析をしているところ
(下の写真3)分析結果に基づいて、作業者にモノを置き方、手の使い方を指導しているところ
(下の写真4)
   
上段:結果を全員に報告して、この改善をみんなでやろうという決意表明をしているところ
   
下段:ビデオの内容を説明しているところ

 いかがでしょうか。
 「中国に負けるわけにはいかない」とみんなが言っているけれど、このような身近な改善をおろそかにして、スローガンだけいくら掲げても、勝てるわけがありません。

 まずは、自分にとって、使い易い置き場所が設定されているかどうか、チェックしてみて下さい。

 そして、もし、不十分な所があったら、即座に改善していただきたいと思います。もちろん、このレベルの改善だけでは、中国と戦うには不十分です。しかし、これができずに、さらに上を目指すというのも無理な話です。

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