柿内幸夫の「社長の現場改善」 01号

下流から改善をはじめる

 始めまして。改善コンサルタンツ株式会社で、コンサルタントをしております、柿内幸夫と申します。
 これから社長の改善100話と題して、経営者の方に役立つ改善の話をさせていただきます。

 改善コンサルタンツ株式会社という会社ですが、名前の通り、改善指導を行うことで会社の経営を良くするお手伝いをさせていただくことが仕事です。
 ところで、改善と聞くだけで、それは現場レベルの話で、経営レベルのことではないとか、それは製造業の話だから私には関係ないと判断されてしまうと困りますので、少々ご説明をさせていただきたいと思います。

 経営者の方にとって常に必要なこととして、自社の現状の正確な把握ということがあげられます。理屈ではその通りなのですが、いざそれをしっかりやろうと思うと、なかなか難しいものです。
 しかし、難しいからといって、できないままでいては困ります。そこで、私は常に経営者の方と一緒に現場に出て、モノづくりの様子を観察するのです。

 私は、会社の特徴のすべてが、現場に現れると断言します。良い点も悪い点もすべてが現場に出るのです。コストも、品質も、納期も、そして、キャッシュフローの状況も、現場に出るとわかります。
 あるいは、人・モノ・設備の状態に関しても、同様です。そこで、その現場に現れた特徴をしっかりと分析し、現状の正確な把握を行い、悪いところは改善し、良いところは、さらに良くするのです。

 実際の改善活動ですが、まず、最もマーケットに近い製造現場の改善を最初に行います。現場における改善は、すぐにその成果が現れ、また、変化した状態を目で見ることができます。
 すなわち、誰もが、その過程の努力や変化、そして、成果を現場で目で見て認識することができます。目の前に起きた変化を、否定する人はいません。そして次に、その結果に基づいて、その上流である設計や営業の改善にも着手します。

 現場改善の結果を前提にすると、現場では、ここまで頑張ったけれど、最終目標に到達するにはあと少し、「設計をこのようにして欲しい」とか、「営業のやり方が、このようになるととても助かる」とか、非常に具体的な要望が出ます。
 そして、その結果として現れるコストや品質、あるいは、納期といった会社にとって何より必要な成果が、きわて具体的にみ、んなに理解できる形で示されますから、それぞれの人が実行に移り易やすのです。

 よくあることですが、多くの人が自分のことはさておいて、自分以外の部署の悪さを見つけて批判をしています。全員がこれをやっていたら、会社はまったく変わりません。どんどん時代に取り残されるばかりです。
 しかし、この場合は、現場の改善活動を一生懸命やった結果、わかったことが、他部署への具体的な要求となって現れるのですから、人は動きます。

 このマーケットに近い、すなわち、下流から改善を始めるということが一つの重要なポイントなのです。私の経験からすると、上流から改善を始めるということは、もちろん、理屈の上では間違っていないのですが、実行は、なかなか難しい。成果を出すのに時間がかかったり、あるいは、始めることすらできないことが多いのです。

これが、私が進める改善です。そして、その中身は、けっして製造業のみに当てはまることではありません。むしろ、すべての業界に、共通のことが多いのです。
 以上の考え方に基づいて、これからお話を始めます。
 どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

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