小さくても『強い会社』にする経営24法則 20号

法則20 自分の会社に投資できるか!

 資金がないから、自分の会社に資金を注入することは多いでしょう。しかし、儲かるという理由で自社に投資することはあるでしょうか?


<法則20 自分の会社に投資できるか!>

 特ここに二人のファンドマネージャーA氏とB氏がいるとしよう。
 二人とも投資のプロ中のプロである。

 A氏は投資先の経営者に対して
 「御社のライバル会社が○○を始めましたが、それに対する対応策は何かありますか」

という質問をした。

 B氏は同じく投資先の経営者に対して
 「1年後、2年後のバランスシートを作成していますか」
という質問をした。


 この二人の質問には大きな違いがある。
 A氏の質問は、目先の対応策で、いわゆる損益的発想といえる。
 B氏の質問は、当然、A氏の質問内容を包含したもので、経営結果はバランスシートに表れてくることを投資先の経営陣が理解しているかという質問である。

 つまり、投資のプロは貸借対照表によって投資の判断をする。
 よく経営者が口にするカンも必ず何かに基づいて行われている。
 その何かが非常に大切となる。

「これまでも何とかなってきたから、これからも何とかなるだろう」
「長年の経営のカンからすれば・・・」

いずれも過去の栄光にすがっている。

 10数年前のバブルで恩恵を受けた人は、
 「もう一度、あのころに戻りたい・・・」

などと思ってはいないだろうか?

これは経営ではない。たまたま市場がそうであったため、みなが原理原則を考えずにすんだのである。しかし、経営の99%は原理原則にのっとって行われ、最後の1%をこれまでの経験・カン・推測から意思決定することが必要だ。

 経験やカンは社長個々人により異なるため、ここでは意思決定を99%左右する原理原則について言及する。懸命な社長であれば

「また、貸借対照表だろうな」

とお考えになると思う。そのとおりである。経営のスタートは、貸借対照表である。

 期首貸借対照表から始まり、期中のパフォーマンスが損益計算書として表れ、結果として期末貸借対照表となり、経営の結果があぶりだされる。

次期は、当期末の貸借対照表を前提としてはじまる。当期末の貸借対照表のバランスが悪ければ、次期の損益に当然影響が出てくる。

 いま、好調な会社だけでなく、絶不調の会社も、企業経営の始まりである貸借対照表のチェックを実施することが21世紀へ生き残るためのスタートであることをここで本当に認識していただきたい。

 とくに業績が好調な企業ほど、貸借対照表を確認することをすすめる。

 好調が持続する保証があれば別であるが、仮に業績が悪化した場合、貸借対照表の状態が芳しくなければ二度と復活ができないからだ。

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 現在の貸借対照表から1年後、2年後の貸借対照表を作成してみてください。それがあなたの会社の姿です。会社の姿は損益計算書ではなく貸借対照表で表現されます。



日本キャッシュフロー協会 (JCFA)
代表 海生裕明(公認会計士)

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