小さくても『強い会社』にする経営24法則 15号

法則15 税法で行動するな

 知っていましたか?株式上場を考えている会社の決算書を精査するとほとんどが債務超過状態になってしまうという実態を・・・

<法則15 税法で行動するな>

 上場会社、つまり会計士の監査を受けている会社の決算書と中小企業の決算書は違う。何が違うのかといえば、大企業の決算書は会計上の決算書で、中小企業の決算書は税務上の決算書となっている。この二つでは何が違うのか疑問を持つ人もいるはずだ。そして何が正しいのか気になるはずだ。

 簡単な例で説明をしてみよう。お金がないという会社に限って不思議と売掛金が多額にあるから不思議だ。

 それが実質回収不能であれば、回収不能金額を会計上は貸倒処理することになる。中小企業の場合、税務署が損金として認めてもらえないからという理由でいつまでも売掛金として貸借対照表に計上しているはずだ。

 しかし、そんなことをしているとその売掛金のために貸借対照表が健全だと勘違いしてしまう。本当は回収できないとわかっていながらも、心の奥底で安心してしまう。

 日産自動車のゴーン社長が実施した戦略的会計は記憶に新しい。税務上の問題ではなく、会計上、計上する必要のない資産をすべて切り捨て、一度、大幅な赤字と債務超過状態にあえて演出したのである。つまり、本当の意味での過去の清算を行ったわけである。

 不要な資産があれば費用が発生するというメカニズムを知っていればこそできることだ。当然のこと、翌年度から販売費一般管理費が大幅に減少し利益が計上できるようになった。

 これは、ゴーン社長が会計というものを理解していたからに他ならない。ただ、中小企業がこの日産と同じ手法は取れない。過去の清算を一度に行い大幅な赤字を出せば、銀行が決算書に難色を示すことは目に見えている。

 銀行に対してどんなに説明をしても理解してくれず平行線となる。だから積極的に行えない。銀行は変わったといっているがこの銀行の体質はおそらく変わらない。だから中小企業は、現在の利益の範囲内でしか過去の清算はできないことになる。

 では、なぜ、中小企業は会計上の決算書を作らないのか。中小企業が、大企業のように会計上の決算書を作成すれば申告書上の修正が多く発生し、通常、顧問税理士は嫌うからだ。

 ちょうど銀行の査定は、会計士と税理士の中間にあるといえる。つまり、会計士の査定は銀行のそれよりも厳しいのである。一度、本当の決算書を作ってみて欲しい。

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 税務上の貸借対照表では、正直、経営の判断にはならないかもしれません。ぜひ、会計上の貸借対照表作成を試みてください。そして、商法上の欠損状態や債務超過となっていないかどうかを確かめてみてください。



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