小さくても『強い会社』にする経営24法則 10号

法則10 所有より利用の経営へ

 所有と利用―

どちらを選択すべきでしょうか。そして、所有と利用の選択基準を持っているでしょうか。




<法則10 所有より利用の経営へ>

 TVや雑誌で取り上げられている、自宅マンションを買うべきか賃貸にすべきか、という議論はキャッシュフローの世界では論外となる。なぜなら、自宅マンションは何もキャッシュを生まないからだ。

 したがってキャッシュフローの世界ではこのようなマンションを購入することはありえない。

 もちろん、将来のキャピタルゲインを考えてというなら話は違ってくる、といいたいところであるが、土地神話はすでに崩壊している。

 法則1でも述べたように、本来、キャッシュフローが活躍してきた場面は、不動産投資においてである。

 そして不動産投資の原則は、毎年のキャッシュフローが黒字であるということだ。決してキャピタルゲインが判断基準ではない。

 もし、バブル時代にこのキャッシュフローの考えが浸透していたら、こんな不幸な結末はなかったかもしれないほどキャッシュフローは重要なのである。

 財産を守るために本当に必要となる考え方のひとつにキャッシュフローはあげられる。

 バブル崩壊後、土地の価格は下落し、キャピタルゲインの夢は消滅する。

 キャッシュフローは赤字でも節税になると不動産投資をすすめられ、結局、借金だけが残る無残な結末を迎えることになった。

 節税は副産物であることを忘れてはならない。節税で意思決定をしてはならないということを不動産投資が教えてくれたわけである。

 所有と利用・・・

 もしかしたら、世の中のマーケティングに携わっている人にとって永遠のテーマかもしれない。

 ウオンツやニーズで人は購入する。しかし、ウオンツとニーズとは異なるものである。

 しかし、人間の感情はとてもあいまいで、ウオンツかニーズかは、購入したあとでそれを正当化する。

 個人の生活においても会社においても結局は人間が意思決定をし、購入することには変わりはない。つまり、感情や感覚で結果的には購入するかしないかを決めてしまう。だからこそ、何かで感情をコントロールしなければならない。

 自宅や会社を見渡してみてほしい。買っては見たけれど、使っていないものがたくさんあるはずだ。

 まずはその棚卸からはじめることだ。そして、ものがたくさんあることの満足感と、必要以上にものがあるために本当に必要なものが買えない現実があることを知るべきだ。

 所有と利用を考えるとき、お金を生むものであれば所有をすべきだろう。

ただ、

所有は一時の見栄。利用は一時の恥。

所有は持っているがゆえに将来の負担を生む。

利用は持たないがゆえに将来の所有を生む。

費用の変動費化を真剣に考えれば、所有より利用になる。

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 私は今、車を持っていません。欲しい車がないからです。しかし、本当の理由は、車を持っている優越感といいますか、満足感よりも、車がない安心感が勝っているからです。

 車が必要なときは、レンタカーやタクシーを利用しています。昔は気にしていましたナンバープレートのわナンバーは気にならなくなりました。それ以上に、持たないことにより固定費が削減でき、少しくらい休んでもいいという精神的なゆとりが持てることのほうが大切と思うようになりました。

 休める、立ち止まれる時間を作れることは経営にも生活にも必要なことなのでしょう。



日本キャッシュフロー協会 (JCFA)
代表 海生裕明(公認会計士)

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