小さくても『強い会社』にする経営24法則 01号

法則1 プラス・ストックを持て!

 皆様、初めまして。

 日本キャッシュフロー協会代表の海生(かいお)です。約15年間、自社並びにクライアントに対して潰れない会社構築のために徹底して実践したことを今回から24回にわたり「小さくても『強い会社』にする経営24法則」と題しましてお話してみたいと思います。皆様のお役に立てることができれば幸いです。

 ところで、潰れない会社構築を実践している会社の社長にはちょっとした「秘密」がありました。ご存知ですか?。その秘密とは「簿記」なのです。キャッシュフロー時代に突入してからは以前にも増して社長が簿記の勉強をし始めています。

 確かに簿記も知らずに経営をしてきたこと自体問題なのですが…。いずれにしても会社の磐石な財務基盤構築のためにトップは簿記を知っておかなければならないことはまぎれもない事実です。

 ところで、最近、話題になっています「負け犬の遠吠え」酒井順子著(講談社)を気になって読んでみました。P93 負け犬と金/仕事からの抜粋です。

 『キャッシュ・フロウはあるが、ストックは無い。負け犬の経済状況というのは、そんな感じです。私がそれを強く感じるのは、勝ち犬と会っている時。負け犬であるこちらは、そこそこの値段がする、流行をはずしていないバッグやジャケットを身につけている。

 対して勝ち犬は、「いいなぁ、サカイはお洒落なものいっぱい持ってて。うちなんかダンナの月給だけで生活していかなくちゃならないから、自分の服なんか全然買えないわよ。せいぜいGAPかユニクロねっ」と私を羨んでみせるのですが、彼女の胸元には、大粒の、確実に百万円以上はするであろうダイヤモンドの一粒のネックレスが光っている。「ああ、これはダンナのお母様が買ってくれたやつよ・・・」と勝ち犬は軽く流しますが、そんな時に私は深く、負け犬感を覚えるわけです。

 今年流行している十万円のバッグやジャケットをいくつ買っても、それは数年後には使わなくなるもの。対して一粒百万円のダイヤは、十年後も二十年後も、勝ち犬の胸元を飾り続けることでしょう。良いおうちに嫁いだ勝ち犬、すなわち勝ち犬の中でも本当に勝っている人というのは、普段は質素ですがイザという時に、その本当の勝ちっぷりを見せつけるのです。』

 私には、この文章に強い会社の構築のためのヒントが隠されているように思えてならないのですが、いかがですか。

 それにしてもOLをターゲットにした本にもキャッシュフローが出てくるようになってきたことはびっくりしました。


<法則1 プラス・ストックを持て!>

 キャッシュフローはあってもストックがない状態とは、資金繰りは何とかなっているが、いざという時にキャッシュがないことを言う。

 この場合のストックとはお金を生む財源を言い、その意味でプラス・ストックと言えよう。

 逆にキャッシュフローがないにも関わらずストックがある状態の会社がある。この場合のストックは、不良債権、不良在庫そして手形を意味するためマイナス・ストックと言うことができる。同じストックでも先ほどのマイナス・ストックと明確に区別しておかねばならないことは言うまでもない。このマイナス・ストックについては第4回目以降にお話しをする。

 会社にプラスストックがないと一瞬にして倒産してしまう。ではどうすればお金を生む財源となるプラスストックが増えるか、だ。マイナス・ストックと違いプラス・ストックは自然に増加することはない。

 だからプラス・ストック増加のため、会社のキャッシュフロー構造を変革しなければならない。つまり意識してプラス・ストックを増加させるように変革をするのである。


 プラス・ストックを増やすには、(1)収入からまず資金をプラス・ストック増加のために意図的に流し込む。そして(2)その余剰資金で必要経費を補う。当然おのずと厳しい経費削減を余儀なくさせられる。通常は収入から必要経常支出を吐き出し、その余剰でプラス・ストック増加を考える。しかしこれではプラス・ストックが増加することはない。

 究極はプラス・ストック自身を働かせてさらにプラス・ストックを増殖させいてく状態の構築にある。

 折角のプラス・ストックも明確な目的がなければ無駄な支出に使われてしまい消えていく運命にある。だからこそ、会社のキャッシュフロー構造を根底から変え、社内で徹底していかねばならない。

 会社が好調時にこそ、より一層節約し、プラス・ストックを増加させ、不況時にそれを大きく使う。これに尽きる。同じ金額でより大きな買い物ができるからだ。預金は貯まらない。貯めるものだ。


 私には預金の習慣がなかったため、いざというとき恐怖を覚えることがよくあります。ですから、経営者の方々にはできる限り預金をすすめています。自分ではできないくせに人にすすめることは無責任に見られるかもしれませんが、私自身本当に預金の必要性を感じているのです。

 そう言えばバブルの時もそうでした。不動産の時価が上昇しキャピタルゲインを期待するあまり、不動産によるキャッシュフローがマイナスであったにも関わらずそれに目を瞑っていたのです。

 知人には不動産投資を控えるようにと警告を出しながら、自分はせっせと不動産を購入していたのです。おかげで、バブル崩壊の申し子となってしまったわけです。

 キャッシュフローの専門家として恥ずかしい限りです。今は、借入は絶対にしない。カードも海外以外では使用しない。あくまで財布の中身で行動をする・・・と言ったキャッシュフロー人生をおくっています。簡単なようですがこれがなかなか難しいものです。(談)


日本キャッシュフロー協会 (JCFA)
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代表 海生裕明(公認会計士)

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