社長のためのIPO塾(上場塾) 16号

【第16限目】 3ヶ月から6ヶ月で上場ができる?

 ロンドン証券取引所には、AIM(エイム)という市場があり、最短で3ヶ月から6ヶ月で上場ができます。






【第16限目】3ヶ月から6ヶ月で上場ができる?

 2006年度、ロンドン証券取引所に上場した企業は541社で、ニューヨーク市場の131件、ナスダックの156件を大幅に上回っています。そして、541社のうち、367社が新規株式公開会社で、うち99社が海外企業です。

 1995年にAIM(エイム)創設以降、海外企業398社を含む2,664社が上場しています。現在、1,634社がエイムに上場をしており、時価総額合計は907億ポンド(21.6兆円)となっています。

 2006年度は、124社の海外企業を含む462社がエイムに上場、資金調達額合計は15.7億ポンド(3.7兆円)となっています。

 ロンドン市場のメイン市場とは異なり、エイムは、異なるタイプの企業を支援するため、その体制も当然、異なります。

(1) エイムは、ロンドン証券取引所による自主規制市場であり、より柔軟な規制環境となっています。

(2) 取引記録の提出義務はありません。

(3) 浮動株数に関して、最小株式規制がありません。

(4) 取引所や上場認可機関ではなく、指定アドバイザーによる上場事前審査を行います。指定アドバイザーの選定が条件となります。

ちなみに、上場までの簡単なスケジュールは次のようになっています。

(1) 上場前マーケティング(約1ヶ月程度)

 指定アドバイザーが、上場適否の評価や上場までのプロジェクトをリードするとともに、エイム上場規則のアドバイスを行います。

(2) デューデリジェンス(法的/財務)(2ヶ月程度)

 財務報告、資金調達レポートの作成等やエイム提出書類の確認、証明を同時に行います。

(3) 目論見書ドラフト作成

(4) ロンドンでのロードショー

ロンドンにて、機関投資家に対して、IR活動をして、資金調達を図る必要があります。

(5) 資金調達

 (1)から(6)までがおおよそ6ヶ月間となります。日本の証券市場では考えられないスピードです。もちろん、エイムに上場しても倒産する企業もあります。だから、投資家は真剣に企業を評価することになるのです。

 このような環境が、投資家を育てていく環境なのかもしれません。

 ところで、最近では、海外企業の中に、中国企業の進出が増加しているようです。しかし今日現在、日本企業のエイム上場はありません。

 グローバル化がいわれるようになってかなりの年月がたちますが、なかなか、日本企業は、世界市場への上場という点からしても、グローバル化は遅れているようです。

 今後、日本市場ではなく、ロンドン市場へチャレンジされる企業が多く出ることを期待したいと思います。




海生裕明
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