社長のためのIPO塾(上場塾) 11号

【第11限目】 IPOの傾向 (1)

 最近は、新興市場といわれています東証マザーズ、大阪ヘラクレスへの上場審査がかなり厳しくなってきています。つい先日も、弊社が主幹事をしている会社ではありませんが、東証から門前払いとなって、社長以下、従業員が呆然となった会社もあります。






【第11限目】IPOの傾向 (1)

 「平成18年1月から同年9月末日までに新規上場した会社数は、平成17年1月から9月末日の108社に対し20社増(18.5%増)の128社に上ります。

 このうち新興市場とよばれる、ジャスダック、東証マザーズ、大証ヘラクレス、名証セントレックス等に上場した会社は前年同期(平成17年1月から10月末日)の101社から6社増(5.9%増)の107社と全体の83.5%を占めています。

 本年は、1月から6月までの上半期に上場した会社数は94社、うち新興市場に上場した数は76社と、前年同期に比べ上場会社全体で25.3%増(前年同期75社)、新興市場で10.1%増(前年同期69社)と例年になく多くの会社が上場しております。

 
 上記のように新興市場に上場する会社の増加にともない、新たに主幹事証券業務に参入する証券会社も増えており、本年は、楽天証券、SBIイー・トレード証券といったネット証券も参入し、主幹事証券を努めております。

 新興市場は、成長可能性が高いベンチャー企業に対し直接金融の場を提供するために、既存市場より上場基準が緩和され創設されたものではありますが、既に新興市場に上場している会社の不祥事や、業績不振等により、現在、投資家保護の観点から、各証券取引所及び主幹事証券会社の上場審査は、以前と比べて、大変厳しいものとなっています。

 また、新規上場時の騰落率も、昨年、一昨年と比較して、低いものとなっており、各新興市場指数も、年初より大きく下落しています。これは、将来の収益を先取りして株が買われすぎたことによる反動であると考えられます。しかし、相次ぐ業績の下方修正等、前提が壊れてしまったことで大きく売られていることに起因します。

 今までのように、新規上場時の過熱感は薄らぎ、銘柄の選別が更に進むものと考えられます。

 適時開示やIRはもちろん大切ですが、上場後の業績を確保することが、最大の投資家保護であることを再度、確認しなければなりません。

 証券会社として、中身のない会社は、上場させてはいけないのです。








海生裕明
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