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【第五限目】 証券会社から見たIPO |
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| 今回は、証券会社から見たIPOのお話をいたします。IPOについていえば、各証券会社によってお付き合いする部署名は違います。上場準備の初期段階では、企業部や法人部に所属する人たちが、いわゆる営業にやってきます。「上場をお考えですか?」と。
【第五限目】証券会社から見たIPO 証券会社やベンチャーキャピタルの人から、初めて上場に関する話を聞いたとき、漠然と考えていた上場が突然身近に感じ、自分の会社でもできるのでは・・・と錯覚するものです。 そして、上場した暁には、いくらいくらの創業者利益が入ってくる・・・と時間を見つけてはお金の計算をしてしまいます。 自分はそんなことをしないと思っていても、気持ちは抑えることはできません。 上場というものは、事業が順調に成長していく過程で行うものだということを。そして、いわゆるアーリーステージに来る彼らは、営業の人だということを。 証券会社の企業部や法人部から、この会社は上場できる可能性が高いという情報を聞き、やっと証券会社の公開引受部が動き出します。 とはいってもすぐに企業に行くのではなく、事前に企業情報をある程度、精査します。 経営者の質や株主の状況、もちろん、業績や貸借対照表の状態などです。もちろん情報が不足している場合は、企業部等に情報入手を依頼するか、自ら情報を入手します。資本政策もある程度、把握した上で、企業の経営者と面談をします。 公開引受担当者は、その仕事柄、証券取引所の考え方等をいつも頭に置きながら、この会社は果たして上場させてもいい会社かどうかを真剣に考えます。 ですから、時としてかなり厳しい質問を経営者に浴びせることもあります。ここで、経営者は、他の証券会社もあるから適当に答えておけばいいと思っていては大変です。 証券業界は広いようでとても狭い世界なのです。つまり横のつながりがとても強いのです。その点を考えて話をしないと、極端な話、業界の中で、「あの会社は上場させないようにしよう」なんていうこともあるかもしれません。 公開引受部の引受という意味は、上場する会社が、上場時に発行する株式を引受けるということを意味し、引受はとてもリスクが発生します。なぜなら、引受けた株式が売却できなければ、すべて証券会社のリスクとなるからです。 公開引受の手数料は、公募価格と引受価格の差額となります。この差額は大体数%程度ですが調達金額が1000億円になりますと数十億円という手数料が証券会社に入ってくることもあります。もちろん、証券会社1社がこの手数料全額を取るのではなく、主幹事証券が60%以上、残りを他の幹事証券数社に配分します。 ちなみに、公開引受部は、上場までは、コストが先行しますので、途中ではなるべくお金をかけないようにする傾向があります。地方の会社はなかなか上場できない理由がここにあるのかもしれません。 証券会社の中には、上場までの期間、コンサルティング報酬をとるところもあります。それも年間数百万円という金額です。しかし、なにもしてくれない証券会社が多いのです。上場準備会社からすれば、証券会社から嫌われたらまずいので、コンサルティングフィーを支払うところが多いのが現状です。 大手の証券会社は、名も通っていますので安心だと思われますが、上場案件も多いため、平気で、調達金額の少ない会社の場合、「御社の上場、あと1年延ばしましょうか」と言ってくることもあります。 小回りが利き、顧客のすべてのニーズに応えられるサービスを提供できる証券会社をいかに選択するかが上場の場合、重要なことになってきます。 大切なのは、担当者です。
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海生裕明
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ばんせい証券株式会社 |
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