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【第三限目】 監査法人から見たIPO |
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| 今回は、企業の番人としての使命を持っています監査法人(公認会計士)から見たIPOについてお話をしたいと思います。
監査法人は、公認会計士が5名以上集まって設立した監査の専門法人です。大手4法人(監査法人トーマツ、あずさ監査法人、新日本監査法人、中央青山監査法人)のうち、中央青山がカネボウ事件等により、7月から2ヶ月間の業務停止となり、数多くのクライアントから監査契約の解除が出てきています。 また最近では、監査法人とクライアントとの間で、会計処理等について考え方の食い違いが多くなっているようです。これまでとは違い、監査法人側も強気の構えで、指導に従わないクライアントは監査契約を切っています。
【第三限目】監査法人から見たIPO 監査法人にとって上場準備開会社は、上場すれば、安定した収益源となるためおいしいクライアントです。しかし現実は、監査法人も上場準備会社の監査を引き受けたがらなくなってきています。 上場を目指す会社にとってみれば、まず最初に契約をする第三者が監査法人ですので、監査法人側が上場準備会社の監査をしたがらないということは大問題です。 また最近では、前述の中央青山監査法人から大手のクライアント(監査報酬が年間数億円程度)が他の大手監査法人に変更しています。今回のように、一度に多くのクライアントが移動をするということは、おそらく過去にも例がありませんし、今後もそんなにあることではないでしょう。 ですから、中央青山以外の大手3社は、上場準備会社獲得より、中央青山の大手クライアント獲得と監査人員配分に頭がいっぱいとなっています。大手監査法人の中には、数ヶ月間は上場準備会社の監査獲得停止を指示しているところもあるくらいです。 それ以外、上場準備会社の監査をしたがらない理由として、各監査法人の人材事情があげられます。 上場準備会社の監査は、上場後の監査より、手間ひまがかかってしまいます。上場準備会社で内部管理体制ができている会社はごくわずかだからです。ほとんどが、監査ができない状態からの契約となります。 極端なことを言えば、監査法人の会計士が、上場準備会社の決算書を作成するケースもあります。これには問題がありますが、やむをえない状況なのかもしれません。 よく「どこの監査法人がいいのでしょうか」と質問がありますが、監査法人を選択する場合、監査法人の名前で選択するのではなく、誰が担当会計士なのかで判断することが大切だと思います。 監査法人は、上場準備会社の応援者の一人ですので、時には厳しい注文を上場準備会社に提示することもあります。しかし中には許せない世間知らずの会計士もいます。会社の規模を考えず、理想論を提示してくる会計士です。 そんな場合、どう対処すればいいかですが、会計士と喧嘩をしてもなにもなりませんので、提案は聞く振りをし、いったんその場は流し、後日、第三者、例えばIPOのコンサルタントやIPOを経験した経営者に、どの程度まで監査法人が提示する管理体制を飲んでいいものかを聞き、判断することが賢明でしょう。 監査法人からすれば、問題点はすべて指摘をしていないと責任問題に発展しかねますので、かなり高度な内部管理体制を要求してくる可能性があることへの対処と考えておいてください。 ところで監査法人と監査契約を締結する場合、まず、ショートレビューといわれるいわゆる短期調査を行うことになります。大体3日から5日程度で、金額は、100万円から300万円程度になります。 このショートレビューで、内部管理体制や、会計処理等の指摘が提出されることになりますが、それと同時に、これまで、税務上で作成していた決算書を会計上の決算数値に置き換えることがあります。 税務上の決算書では黒字だった会社が会計上の数値に修正しますと、いきなり債務超過の状態となる会社も数多くあります。それだけ税務上の決算書と厳密な会計上の決算書とはかけ離れたものになることがあるということです。だからでしょうか。税務上の決算書では経営判断材料にならないとよく耳にします。 まれにショートレビューができないレベルの会社もありますが、この状態では上場は無理だという烙印を押されてしまいますので監査法人と契約する場合、帳票等の整備はある程度しておいたほうが賢明です。 また、監査法人のクライアント、つまり上場会社のほとんどが3月決算である現状からすれば、決算月を3月以外にすべきだと思います。3月決算というだけで敬遠されることもありますので。 ところで監査法人の上場準備会社の監査報酬ですが、年間500万円から1000万円程度と考えておけばいいでしょう。 計算は単純です。年間の往査(クライアントに監査に行くことをこういいます)日数×担当会計士の数×1日あたりの監査報酬で計算します。 以前は、上場準備会社を数多く獲得しようとして監査法人間で価格の値下げ合戦がありましたが、最近では、積極的に上場準備会社の獲得に乗り出していないため、価格の引き下げは行われないようです。 上場をするにもお金がかかることを知っておく必要があります。 ただ、最近は、在庫がある場合は、3期分の監査が必要という状況に変わってきています。 これも監査がかなり厳しくなっている表れですので、本気で上場を考えているのであれば、早目の対応が肝心です。 |
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