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板垣宏征の「見えない・からだ学」 81

身体的症状を潜在意識の欲求に変換する
症状イメージ・マップ

 さて、今回はシリーズをお休みして、私がカウンセリングで使っている、あるツールについてご紹介したいと思います。

 それは、身体的症状を潜在意識の欲求に変換する方法、図1の【症状イメージ・マップ】なるものです。私が独自で開発し、クライアントさんの心理状態を描写するのに活用しています。


<図1 症状イメージ・マップ>
 
 この【症状イメージ・マップ】のつくり方を簡単に説明すると、まず、真ん中の円にその人の、今、もっとも困っている身体的症状、例えば「肩こり」「鼻炎」などを書き込みます。

 そして、それから連想するイメージ、例えば、「その症状はあなたにどのような気持ちを与えるのか(イライラさせる、不安にさせる…)」、 「その症状を形にしてみると、やわらかいか、硬いか」、「色に例えると何色か、さわると温かいのか冷たいのか」など、円の中心からテーマに沿って枝を伸ばして円をつくっていき、クライアントが表現したキーワードをそのまま書き込んでいきます。

 この3つの円から出た枝を紙面いっぱいになるまで広げ、広げきったところで各枝に出てきた重要なキーワードや人物などをつなぎ合わせ、その症状にまつわる具体的な自分の気持ちを整理していくのです。

 例を挙げると、こんな方がいました。

 この女性は、ガンを患っていらっしゃいました。しかも尿管を取り巻くようなガンんで、病院でも珍しいケースだと言われたということです。

 以下、この女性と私の症状イメージ・マップ実用の再現会話です。

 ●中心テーマ『尿管を取り巻くガン』

 ――これはあなたにとって、一言でいうと、どんな感情を抱かせるものですか?

 Aさん:そうですね。「不可解なもの」ですね。

 ――「不可解」。なるほど。じゃあ、次の質問。あなたにとっていま不可解な人間関係ってありますか?

 Aさん:うーん、不可解な人…、ああ、あの人かな…。

 ――じゃあ、その人の個人名は結構ですから、イニシャルで教えてくれますか?

 Aさん:T…M.さんです。

 ――はい「T.M」さんと。では、この人の顔を思い浮かべて…。この方のどの辺が不可解なんでしょうか。

 Aさん:それはですね、この人、うちの親戚筋にあたるんですけど、財産のことで、すごくケチな人なんです。うちの夫の兄のお嫁さんでしてね、まあ、とにかくケチ。例えば…etc、etc。

 ――なるほどー、とにかく「ケチ」な人なんですね。

 Aさん:そう、あんなケチ、私の今までの人生では会ったことはありません。

 ――言って見れば、その人の存在はあなたにとって多くの人間関係の中でも「ガン」だと言えるのですか?

 Aさん:そうそう、まったくガンですね。あの人の言った言葉を思い出すと、虫唾(むしず)が走る。

 ――ほう。それは強烈ですね。でも、その人も生まれながらにしてケチなわけではないですよね。なぜケチになったんでしょうね?

 Aさん:よくわかりません。考えたこともありません。

 ――そうですか。その人の生い立ちとかもわかりませんか?

 Aさん:はあ、断片的ですけど…。その人、実の母親に先立たれて、継母に育てられたらしいんです。
 あまり、母親の愛情って知らないんでしょうね。親の世話にならずにお金を貯めて、自分で学校出て、早くに就職したらしいですよ。

 ――おお、傍から見ると、立派な方ですよね。そういう見方で見ると、この人は どんなイメージですか。

 Aさん:うーん、自立。人に頼らない、ってとこでしょうか。

 ――はい、「自立」ね。自立ってところから、あなたがイメージするのは何ですか?

  Aさん:自立ですか…。強さですかね。

 ――「強さ」。あなたにはその強さはありますか。

 Aさん:私にはないです。私はずっと主婦で来ましたから。彼女は自分の夫(私の兄)よりも収入があるんです。

 ――ほう、「収入がある」と。

 Aさん:そうなんです。収入が十分あるクセに、このたびうちの母親が死んだとき、一番たくさんの財産分与を要求するんですよ。

 ――はい、「要求」と。でも、亡くなるまでお母さんのお世話をされたのは、この方なんですよね。

 Aさん:そうですけど…。まあ、あの母親の面倒を見たのだから、大変だったとは思いますが。

 ――うーん。「母親の面倒は大変」と。そんなお母さんの面倒を、その方が引き受けたのは何故でしょうね。

 Aさん:それは、長男の嫁だからでしょう。

 ――でも、それだけで、最期まで面倒を見きれるでしょうか。実の娘がいるんだからと、あなたに振ってくることも、あり得たわけでしょ。

 Aさん:そ、そうですね。でも、私は遠い所に住んでいるから。

 ――はい、「遠い所」と。ところで、「ガン」についての円に戻りますね。あなたの内側にあるガンを、イメージの中であなたの外側に取り出して、それを触って見てください。

 Aさん:さ、触るんですか。ちょっと待ってくださいね。うーん、…はい、触りました。

 ――やわらかいですか、硬いですか?

 Aさん:うーん、硬いです。

 ――「硬い」と。では、それは冷たいですか、温かいですか?

 Aさん:冷たいですね。

 ――はい、「冷たい」と。では、色は?

 Aさん:うーん、灰色です。色は、白から黒へどんどん変わっていきます。

 ――おお、そこポイントですね。「灰色」って色彩心理で、『謝りたいけど謝れない』って心理があるんです。

 Aさん:ええっ?だれに?私が誰に謝りたいんです?

 ――誰って…。お察しがつきませんか?

 Aさん:あ、あの兄嫁にですか?私が?なんで謝らないといけないんですか?

 ――いや、別に決まったわけではありませんよ。でももし、謝るとしたら、どんなことでしょうね。

 Aさん:…。

 ――兄嫁さんがあなたのお母さんのお世話をやり切ったのは、あの方の境遇からかも知れないですね。母親の愛情を受けずに育ったのなら、愛情の代わりに「お金」が彼女を支える安心の素だったのかも知れません。
 そして、結婚し、あなたのお兄さんのお嫁さんになって、あなたのお母さんのお世話をすることになった。彼女にとっては2番目の義母ですよね。

 Aさん:2番目の義母…。

 ――そう。一番目の義母は彼女の継母さんですね。若い頃の彼女は継母に頼らず「自立」して生きたとおっしゃいましたね。
 そして、それはあなたから見ると「強さ」であると。あなたにはない「強さ」だからこそ、それはあなたに「不可解」に映った…。

 Aさん:…。

 ――あなたにない「強さ」を彼女が持っていたからこそ、あなたのお母さんを最期までお世話をできた。「大変なお母さん」をですよ。
 彼女にとっては、甘えられずに来た母親、継母への思いがあったのかも知れませんよね。

 Aさん:そ、そういうふうに考えたことはなかったです。

 ――さっき、灰色が『謝りたいけど謝れない』って言いましたけど、これは『感謝したいけど、感謝したくない』とも置き換えられますね。

 Aさん:感謝…。

 ――もし、彼女の内側に入って、彼女自身の気持ちに立てたら、その横で「よく頑張ってくださったね。ありがとう」って言われたら、どんなに彼女、救われるでしょうね。

 Aさん:それを、私が?

 ――そう。あなたこそが、そのもっともいいポジションにいると思いませんか?

 Aさん:うーん、でも、あのケチさだけは我慢できません。

 ――今回、ガンが発生した場所ですけど、尿管って泌尿器系ですね。泌尿器系って腎臓→尿管→膀胱→尿道となっていて、不要になった血液をろ過して、尿として出すのが役目なんです。

 Aさん:ええ、それは知っています。

 ――つまり、泌尿器系って「不要なものを手放す」って、テーマがあるんですよ。

 Aさん:手放す?

 ――あなたがケチだと思う、あの人はあなたの投影かも知れないということです。

 Aさん:え? 私もケチだと?

 ――いえ、あなたにはケチは似合わない。それはあなたの人生に照らし合わせて、もっとも嫌な感情あるいは言動になるからです。
 だからこそ、そういうストレスをあなたのカラダの中の、尿管という場所にできたガンに代弁させているとしたらどうです?

 Aさん:!

 ――人の意識には、自覚できる「顕在意識」と、自覚できない「潜在意識」というのがありましてね。その領域は圧倒的に「潜在意識」の方が大きいんです。
 顕在意識でガンになりたいなんて願う人はいません。カラダは、顕在意識よりも潜在意識の欲求に従いますから、ガンになるということを、逆に潜在意識が求めている欲求に置き換えてあげると、これは「あなたの内側にできたガンという存在の気持ちをわかってあげる」ということになるんです。

 Aさん:私の場合、心の奥底ではあの人に感謝を伝えたいと思っていると?

 ――そうではないですか?でも、そう考えるとしたら、そこから先の行動はあなたが決めればいいことです。体のことは専門家であるお医者さんに任せられても、ココロのことはあなたしか解決できませんから。

 Aさん:…はい。私にできることがあるならやってみたいと思います。できるかどうかわからないけど、よく考えて、いちど先生の意図することを噛み砕いて見ます。

 さて、この方の行方やいかに。

 『症状イメージ・マップ』は、あなたが見知らぬあなたと出会うお手伝いをするツールです。この方法を身につければ、職場、家庭であなたもちょっとしたカウンセラーに。ぜひご参考にしてみて下さい!

 ※『症状イメージ・マップ』活用講座も実施しています。

  (詳細は、http://kireinococoro.com/seminar.php までアクセス下さい)


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 株式会社ウォーターソリューション/ ココロとカラダの謎研究所 
  代表取締役 板垣宏征  http://kireinococoro.com/

 ※板垣宏征氏に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。 okada@jmca.net
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