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板垣宏征の「見えない・からだ学」 71

「予防のココロ 〜脳内出血〜

 「予防のココロ」シリーズ第9回は、脳内出血です。

 ●日本人の死因の第9位は、脳内出血

 ●2005年データでは、1年間で3万3,353人がこの病気で亡くなっています。

 予防のココロシリーズ第2回目に、脳梗塞を取り上げましたが、脳梗塞と脳内出血とは、だいぶ様相の違う病気なのです。

 脳硬塞は、「虚血性脳卒中」と言い、脳の血管が詰まって脳細胞に栄養や酸素がいかなくなるもの。

 また、脳の血管が破れて出血することで脳細胞にダメージを与えるものを「出血性脳卒中」と言い、「脳内出血」と「くも膜下出血」がこれに当たります。

 つまり、まず、「脳卒中」という言い方があり、その大きな枠組みの中に、

 ・脳梗塞   (2005年:80,931人)

 ・脳内出血  (2005年:33,353人)

 ・くも膜下出血(2005年:14,878人)

 という代表的な3つの疾患があるのです。

 現在、総合的な脳卒中死亡者数は、がん、心臓病に続く、第3位となっていますが、かつて1951年から約30年にわたり、ずっと国民死亡原因の第1位を占めてきました。

 また、現在の死因割合では、脳梗塞が圧倒的に多いのですが、当時は、脳卒中で死亡する人の大部分は、脳内出血だったそうです。

 脳内出血による死亡者数は1960年頃より減少し、1990年には約5分の1まで減ったということですから、その当時は、相当数の方が亡くなっていたということですね。

 さて、脳には「前大脳動脈、中大脳動脈、後大脳動脈」という、3本の大きな脳血管が通っています。

 

 このうち、中大脳動脈から分岐する細い動脈のところで、脳内出血は起こりやすいとされています。割合は、じつに全体の70%です。

 このあたりは、大脳辺縁系と呼ばれるところで、全体の40%を占める被核出血の後遺症は、対側の片麻痺が生ずるほか、優位半球からの出血なら失語症、非優位半球なら失行・失認などが起こります。

 30%を占める視床出血の場合では、麻痺よりも感覚障害が強く発現し、痛みを強く感じます。ここは脳幹の近くであるため、意識障害が起こることも多いと言います。

 なぜ、この大脳辺縁系付近で起きやすいかというと、その答えは意外に明快で、中大脳動脈という太い動脈が、いきなり細い動脈に分岐するからなんだそうです。

 つまり、急激な圧の変化に、脳の動脈壁がついていけずに、やぶれてしまう、ということです。

 ふーむ。ここに、脳内出血のココロが見えてきそうですね。

 
 【リーディングによる脳内出血の背景にあるココロ】

 ・先入観、思い込み(ものの見方が一方的でそれ以外に対応できない)

 ・プレッシャー(意気込み、勝負をかけるという思い)

 ・切迫感(いつも何かに駆り立てられたような気持ち)

 ・現実逃避(この状況から逃げ出したい)

 ・現状適応力の低下(アップダウンのある状況への疲労感)

 もちろん、脳血管がやぶれるのは、そこに動脈硬化が起こっているからです。その意味で、脳梗塞のココロと重なる部分もあります。

 ・限界が来てもがんばり続ける(私にしかできないという思い込み)

 ・理想や主義を追求し、自分の満足は後回しにする(みんなの幸せがあって私は幸せになれる)

 ・できない自分を責める傾向がある(“自分はこんなもんではない”という前向きすぎる思考)

 ・無力感、現実は変えられないのだというあきらめ

 
 【考察】

 中風(ちゅうふう、ちゅうぶ)という言葉があります。最近ではあまり使われませんが、江戸時代から残るこの言葉は、悪風に中(あた)る、すなわち「脳卒中」を表します。とくに、当時多かったであろう「脳内出血」を指した言葉だったようです。

 そして、歴史を紐解(ひもと)けば、なんとなんと、江戸8代暴れん坊将軍・徳川吉宗や、戦国大名・上杉謙信が脳内出血で亡くなっています。

 謙信は、相当な大酒飲みで、亡くなったのは、織田信長との決戦をかけた上洛一歩手前でした。これは、かなりハイテンションな状況にあったのかも知れません。

 また、もっとさかのぼれば、落馬で命を落としたことで有名な源頼朝も脳内出血でした。鎌倉幕府をひいた英雄も、実は、馬上で中風にあったのではないか、と言われているのです。

 つまり、彼らは戦い続けて、自らの限界を押し広げてきた人たちです。昨日より今日、今日より明日。果てしもない戦いと取り組みに邁進(まいしん)を続ける姿があったということです。

 こう考えれば、1960年代、高度成長期の日本に脳内出血が多かったという事実も、何か、うなずけるものがあります。

 
 【脳内出血予防のココロ・エクササイズ】

 スピードアップ、倍増するくらいの成長、領土(マーケット)の拡大・・・。

 どんどん道が広くなるつもりで走り続けていたら、急に小道に入ってしまった! ああ、この勢い、どうしよう!? ドカーン!!というのが、脳内出血を表すイメージです。

 あまりスピードを出しすぎると、自転車でも、車でも、急カーブがやってきたとき、転倒してしまいます。

 「いーや、堂々と全力で挑むのみ!」というぶつかっていく気持ちが、もっとも脳内出血のリスクを上げます。

 脳内出血予防の最大のポイントは、曲がり角を上手に乗りこなすブレーキング・テクニックと柔軟性です。

 「勢いがつき過ぎたときのブレーキの踏み方、自重の仕方」。ここにこそ、脳内出血予防のココロがありそうです。

 株式会社なぞけん ココロとカラダの謎研究所 
  代表取締役 板垣宏征

 ※板垣宏征氏に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。 okada@jmca.net
 ●板垣氏のパーソナル・リーディングについて
 5月14日(月曜日)、東京サロンにて板垣氏による「予防のココロ・エグゼクティブコース」が実施されます。板垣氏とのマンツーマンの個人リーディングで、ガン、脳卒中、心臓病など、気になる病気を予防する心のケア方法を、じっくりアドバイス。詳しいお問い合わせは「ココロとカラダの謎研究所」 (TEL)078−782−6673、(メール)info@nazoken.com まで。
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