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板垣宏征の「見えない・からだ学」 59

「潜在意識と病と 〜心配・不安というテーマ〜

 心配・不安。

 誰しもが持っているこの感情ですが、これが常軌を逸してしまうとからだは極度の緊張に苛(さいな)まれます。

 皆さんの周りにも、いつも不安や心配を口にする人がいますね。

 “ああなったらどうしよう”、“こうなったらどうしよう”。

 こういう人が職場にいると、周りもこの人の不安感に感化されてしまうので、職場の活気は奪われます。こうなると経営者としてはひと苦労です。

 感情は伝播(でんぱ)し、増幅(ぞうふく)します。

 不安と心配はそれが顕著に現れやすい代表的な感情なのです。

 お越しになられたのは会社役員。53歳男性。

 「胃潰瘍を何度か繰り返し、円形脱毛症がなかなか治らないので」ということで、相談に見えられました。

 胃潰瘍も、円形脱毛症も、心身症の代表的な症状なので、明らかにストレスが起因しています。なるほど、この方も来所された時にはとても憔悴(しょうすい)しきった顔をしておられました。

 「このままじゃ、私、胃がんになりますよね。この間テレビで見ていて胃潰瘍を繰り返す人は胃がんになりやすいと言ってました。その番組では“ストレスを解消する毎日”を、なんて結論でしたが、仕事している限りそんなのは無理ですしね」

 うーん、いかにも「心配・不安」が反応しそうなこの方の口調。予想通り、感情リーディングでは「心配・不安」「神経質」「気苦労」などに反応しています。ただ一方、「長期計画に秀でる」という心理コードにはよい反応がありました。

 「会社でのストレスって、具体的にお聞かせいただけますか?」

 「そりゃあ、いろいろありますよね。一応役員ですから、管理業務、決算業務、人事業務・・・、すべてにきちんとしなきゃ気がすまないのは私の元々の性格ですけど、周りがあまりにのんびり屋すぎてね。先を考える人間があまりいないんですよね」

 「それは、社長も含め、ですか?」

 「そうですね、それがストレスの大きな要因かも知れません。とにかく何事も楽天的なんです。あっちへ、こっちへって夢を語るのはいいですけど、周りは大変ですよ。私が代表してご意見番になるんですが、ちょっとやはり、社長にとっては煙たい存在ですからね」

 「なるほど、社長にどう思われているかというのも、今のストレスになっているわけですね」

 「そうですね。私は私なりに会社の将来を思って、時に苦言するのですが、社長としては、そういう空気を会社にもたらすのはやめてくれ、と。」

 「ああ、なんだか社長の気持ちはわかりますね」

 「うん? どういう意味ですか?やっぱり私の考えは間違ってますかね」

 「いいえ、とんでもない。社長の求めているのは、表現の仕方でしょうね。『長期計画に秀でる』って言うコードにとてもよい反応があるんです。社長はあなたの、そうした先見性や未来を先取りする考え方を高く評価しているんじゃないかと思いますよ」

 「そうですかね。そうは思えないけど・・・」

 「未来を見越せる力」これは神経質なくらいな性格じゃないと無理なことです。

 「状況をよく見極めて、さまざまな情報と照らし合わせる力量」。

 「それを積み重ねて将来像を推し量る力量」。

 でも、その積み重ねが緻密であればあるほど、まだ実行する前からそれが壊れることを心配し、不安になる。それは、そこへ至る唯一の方法を一歩でもズレると、描いた将来像に辿り着けないと思い込むからです。

 そう、名経営者とそうでない人の決定的な違いというのは、その推し量った未来に楽天的になれるかどうか、なのです。

 「心配が多いと言うのは、将来を先取りする力のある証拠なんですね。あとは陰陽の表現の問題。「陽」的な表現をする人というのは、将来像の方にコミットメントできているので、実際のやり方云々(うんぬん)には揺るぎません。テストで90点を取って、後10点取れなかった方に目が向くか、90点も取れた自分に目が向くかの差みたいな感じでしょうか」

 「ああ、私は学校でもいつも取れない点数の方にばかり目を向けていたように思いますね」

「心配というのは伝播しますからね。自分の口から飛び出した心配の言葉は予想以上に増幅されて自分に戻ってきますから。そうすると、“ほれみろ、やっぱり自分が心配した通りだ”なんてことになって、心配している状況の実現性をより強化してしまいます」

 「自分で発した心配に、自分で“”やっぱり”と納得するというのは滑稽(こっけい)ですね・・・考えてみれば、そんな状況はいくつもあったような気をします」

 「そうですね、心配というのは自信の裏返し。自分が一番よくわかっているはずだということへの確認心理です。でもね、あまり先を考えていない人たちには心配の言葉というのは単なる暗示になるだけですから、注意が必要ですね」

 「はあ・・・」

 東洋医学では「心配・不安」という心理は、胃と脾のバランスに影響するとされています。「胃」とは「意」の反映するところ。

 意念の実した状態(つまり考えすぎ)だと、気ぜわしく働き、頭の休まらない状況を作り出し、早食い、食べすぎ、風邪が抜けきらないなどの胃実の証がでてきます。

 一方、意念の虚した状態(考えすぎて疲れてしまった)は、無気力、気分が人に左右される、よく噛まない食事と時間の不規則、などから、胃荒れ、慢性の胃炎、さらには胃潰瘍を起します。

 胃の安定=意念の安定。

 私はこの方の「胃」と「意」を安定化させる心身の波動情報を転写して、パーソナル情報水をお作りしました。

 しばらくして次にやって来られたときのこと。

 「あれこれ心配しないことというのは、なかなか難しいけど、今はまず言葉に出すときの注意を心がけていますよ。そうすると、社長がね、何だかより近くに感じられるようになってね。まあ、降格の心配はとりあえずしなくてもすむようになりましたかね」

 「よかったじゃないですか。ひとつ心配を減らしていけば、胃腸もその分きっと、よくなりますよ」

 考えてみれば、心配とは「心を配る」を書くので、たいへん気配りの利いた、心配りのできた状態をさすのが原義(げんぎ)です。

 でも、それは、こちらに余裕があってできること。余裕のない心配りは、失敗したらどうしよう、こんなことになったらどうしようなどの押し付けになってしまいます。

 心の余裕・・・。これが心配・不安をプラスのエネルギーにかえるひとつの方策ですね。

 人体の謎研究所&波動リーディングセンター 
  所長 板垣宏征

http://www.nazoken.com/

 ※板垣宏征氏に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。 okada@jmca.net
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