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板垣宏征の「見えない・からだ学」 30

選択できる、ということ

 このたびの衆院選。小泉自民党の圧勝となった歴史的な選挙でした。

 このような連載で、政治と宗教に言及するのはタブーだと言いますけれど、今回は書かずにおれません。

 自民党が圧勝したこと以前に、小泉首相が今回の選挙で挙げた大きな功績は、国民にここまで大きな関心を持たせた、と言う点だと思います。

 投票率は小選挙区・比例代表制になって過去最高! 

 やはりこれは、是非もなく素晴らしい。また、敗れたとは言え、ホリエモンさんの出馬によって若い世代に政治への関心が広まったというのも、すごいことでした。

 私も自分のこどもと、近所のこども達を連れて投票に行きました。

 大人になったらこうして選挙に行くんだよ、と身をもって示すことができました。

 そして、実は私たち大人が、選挙を通じて政治に関心と責任を持つということは、この子どもたちのためにこそ必要なんだ、と自分自身に再確認させることもできました。

 政治、行財政改革、教育、年金、医療福祉・・・。これまで私たち国民は、これらの重要なことは、どこか自分達とは別世界で決定されるものだと感じてきました。

 小泉首相はうまくそこを逆手にとって、「郵政民営化・・・国民にもう一度、聞いてみたかった。決めるの国民です!」 とアピールしました。

 この言葉にうまく乗せられてしまっただけなのかどうか、さあ、これからは、自民党に投票した人も、ほかの政党を支持した人も、自分達が選んだ政権が、どういう舵取りをやっていくかに大きな責任を持つことです。

 でも、今回の選挙について現時点で言えることは、私達の投票による能動的参加がここまで大きく反映されるということがわかって、国民も政治参加ということに少し自信を取り戻せたかも知れないということではないでしょうか?

 これまでの、「郵政も、年金も、福祉もだれかがやってくれる、だが、自分だけはよりよいサービスを受ける権利がある・・・」

 という他人任せにしながら権利だけ主張する姿勢が大きく転換して、しだいに「責任なき権利は存在しない」ということが、この国の空気になっていっている事に大きな心強さを感じます。

 そして、今回の選挙はもうひとつ、物事が一元的に決められて多勢の意見を取り込みながら、なあなあに修正されていくという、これまでの日本の独特な政治的手法のあり方が、大きく変わった転換点だとも言えます。

 郵政民営化に賛成か反対か、そんな2者択一を迫られた選挙なんて、わたしたちはこれまで経験がありません。

 でも、2者択一というのは、世界の大きな潮流なのです。

 民主党の大敗で二大政党制自体は遠のいた感がありますが、波動の自然な法則として、ここまでの自民圧倒の後には、このあと発足する小泉新政権には、とても厳しい目が向けられるはずですし、また次の選挙では野党への揺り戻しが来るはずです。

 いずれにしても、今回の選挙においては、国民には選択ができる、という大きな自信をわれわれが得たことは大きなことだと思います。

 そうした能動的態度が、これから、教育、金融、医療・福祉の各分野に波及していくことをわたしは願ってやみません。

 特に、わたしなどは普段から今の一元的な医療制度について、もっと国民が選択肢を持てるように、自分自身の健康や生き方に責任をもっていけるような、今の医療とは視点の異なった対立市場が生まれてくるべきだと心底思っています。

 欧米では代替医療(現代西洋医療以外の医療)という分野が、市民の健康市場を豊かにし、自分の健康について個人個人が考えを持つことに大きなチャンスを与えています。

 選択肢がない市場というのは、これまでの自民党政治のようにほんとうに密室的でよくわからない。対立する選択肢があって、初めて明るく未来を展望することができると思うのです。

 いまの日本の医療は、「診断医学」です。

 各種検査に基づいて診断が下され、診断名がついて、はじめて治療ができます。

 血圧が140以上になって、高血圧と診断され、降圧剤を投与できます。

 ある一定以上の高い血糖値が検査で出て、はじめて糖尿病と診断されてインスリンの注射が打たれます。逆に言うと、診断がつかないと、治療ができない。

 つまり、患者が病気になってからでないと手の打ちようがない医学、それが今の日本の医療の実態なのです。

 これは、事件になってからでないと動いてくれない警察というのとよく似ていますね。

 事が起こってからではもう手遅れ、もっと早くに対処できないの?ということで、医療においては「予防医学」の必要性が古くから指摘されてきました。

 ただ、長いこと必要性が言われているわりには、予防医学は具体的に定着していません。その理由は、まず日本では予防医学には保険が適用されないということ。

 また、予防で患者数を減らしてしまうと病院経営が成り立たないという裏の事情もあったりして、現在まで、まだまだ予防医学が実際に進展する土壌になっていないのです。

 予防医学とは、病気になる前に早期にからだの状態を検査したり、生活習慣をチェックして、病気を未然に防ぐ、というものです。

 そう、読んで字のごとく、予(あらかじめ)防(ふせぐ)のが予防医学なのですが、何を防ぐかというと、病気です。

 つまり、予防医学というのは「人はみな、ほっとくと病気になるもんだ」ということが前提となって、初めて成り立っているのです。

 その意味では、今の「診断してから医学」と種類的には同じ延長線上にあります。

 「予防医学」といえども病気に対して、一元的なものの見方しか出来ていない。 

 私はこの国の、健康や病気に対するこの一元的なものの見方にこそ、オールタナティブ(2者択一性)が必要だと思っています。

 もっと具体的に言いましょう。

 もともと、予防医学と言うのは、患者の「理性」に訴えかけるものです。

 病気にならないように普段から心がけましょう。タバコ、ダメですよ。高脂肪の食事、ダメですよ。運動不足? ストレス? ダメですよ。そんな生活習慣では、病気になりますよ。理性でそれらをコントロールしましょう、ということです。

 でも、このダメダメ主義では長続きしないことはみなさん、経験上、おわかりじゃないでしょうか? 

 人は、病気になりますよ、って威(おど)されて、理性を駆使して健康になっていく側面ばかりじゃないって思いませんか?

 もっと楽しく、自分のからだの個性に触れて、からだの能力やこころのパターンに気づいて、よりよい生き方に目覚めていく。それが自分の健康に直結する、という健康観と手法があれば、人々はもっともっと元気になるでしょう。

 それは今の医療を全面否定するものではありません。理性と感性。どっちにも訴える健康市場があって初めて、国民の健全な健康観を養っていけると思うのです。

 私は、「見えない・からだ学」を通じて、また、日本の代替医療、セラピー、民間カウンセリングなどをネットワークさせることを通じて、ぜひ、今の医学や予防医学市場とは視点の違った、「創造医学市場」(=ひとりひとりが自分の個性を発見しながら、自身の健康に能動的に関わり、自分なりの健康を創造していく医学)の創出に貢献していきたいと願っています。

 選択できるということの尊さ、――― 今回の選挙を見て、私はそのような思いを強くしました。

 

 人体の謎研究所&波動リーディングセンター 
  所長 板垣宏征
  http://www.nazoken.com/

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