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板垣宏征の「見えない・からだ学」 25号 |
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症状編(9)「糖尿病という現実」 |
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平成14年、厚生労働省が行なった「糖尿病実態調査」によると、日本で糖尿病が強く疑われる人の数はおよそ740万人。糖尿病予備軍として糖尿病を否定できない方の数を含めると、その数は1,620万人にもなるそうです。
日本の人口はおよそ1億3000万人ですから、1,620万人というと、国民の8人に一人が「糖尿病の疑いあり」という割合になります。 これはすごい数字です。この連載をお読みの経営者の方々にも、「最近、血糖値があがって・・・」という方も多いかも知れません。 糖尿病とは、一般に説明されているしくみでは、膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンが不足あるいは低下し、血糖値が下がらなくなるというものです。 血糖値が下がらなくなって困るのは、血液がどろどろになって動脈硬化のもとになり、脳卒中や心臓病、腎症や網膜症、神経症が起こるリスクが上がるためです。 血糖値が上がると、これらの病気のリスクも上がる。だから今、国は糖尿病を「生活習慣病」の代表格に置いて、日ごろの食生活、運動習慣、喫煙などが血糖値に与える影響などをまとめ、予防的ライフスタイルを啓蒙しています。 いわく、 ・適度な運動を心がけましょう。 ・糖分や脂分の多い食生活は控えましょう。 ・ストレスを発散するようにしましょう。 かれこれもう30年以上前から変わらないこのフレーズは、耳にタコができるくらいに使い古されていますが、いまだに糖尿病が減るどころか増える一方の現実を見ると、これらは「頭ではわかっているけど、できない」ことの代表例文と言えるでしょう。 「生活習慣病」という言葉は平成8年に、それまで成人病と呼ばれていたものに代わるものとして提唱されました。 以来9年間、この言葉自体はずいぶんと定着してきましたが、それに比例するように、生活習慣病患者数もどんどん増え続けているとは皮肉な結果です。 もともと、生活習慣病というその名に秘められたほんとうの意味は、生活習慣=あなたのライフスタイルが原因で起こる病気ですから、医療では根治できませんよ、本当に治そうと思うなら、あなた自身のライフスタイルを治して下さいね、ということでした。 医療も国も、「生活習慣病はあなたの生活習慣の問題ですから、治すのはあなた次第」とし、それを大前提にした上で、病気になる前の第一次予防の重要性を問うてきたわけです。 ところが、これがあまり現実的ではありませんでした。この9年間の糖尿病をはじめとする生活習慣病患者数の伸びがそれを証明しています。 先の、こんな食生活はダメ、運動不足はダメ、ストレスもダメ、というダメダメ告知ではそれをいつも聞かされる国民としては、ああ、自分たちはダメなんだ、と気持ちが萎縮してしまい、それ自体が大きなストレスになってしまいます。 一方では、消費誘導的な、手軽で簡単な味付けの濃い食生活(つまり糖分や脂肪分が多い)がまかり通り、運動も休養も満足に取りようのない管理的社会生活を押し付けられながら、一方では、そうした生活習慣がダメだと言われる。 このダブルスタンダードの社会生活中で、真面目な方々にはその矛盾がとくに「膵臓(すいぞう)」を直撃するわけです。 ・・・膵臓を? なぜ? 膵臓は、普段あまり意識されない臓器なので、ここで少しみなさんにご紹介したいと思います。 |
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イラストで初めて膵臓をごらんになる方も多いかも知れませんが、意外や膵臓は上の図のように葉っぱみたいな形をしています。 十二指腸にくっついていますが、位置的には胃の裏側にあり、からだの前面からも後面からもCTやMRIでよく見えないそうです。 (だから、よく膵臓がんは最後まで見つかりにくいと言うんですね) 膵臓のはたらきのひとつは、その真ん中を通る膵管という管から、消化液を十二指腸へ送ることです。 消化酵素をたくさん含むこの消化液がからだの消化作用の大きな原動力となっていますが、腸管に消化液を分泌するこの作用を「外分泌」と言います。 そしてもう一つは、ホルモンを血液中に放出すること。 みなさんよくご存知の「インスリン」は、膵臓の中にあるランゲルハンス島と呼ばれる細胞群のβ細胞から分泌され、血液中の糖分を低下させます。血液中にホルモンを分泌するこの作用を「内分泌」と言います。 つまり、膵臓には「外分泌」と「内分泌」という2つのはたらきが並存する、ということなのです。からだの外側への顔と内側への顔。この2つの顔を上手に統合させることが膵臓の大きな役割とも言えるのです。 何が言いたいか、この「見えないからだ学」の連載を読んで頂いている賢明な読者にはもうおわかりかもしれませんが、社会生活におけるさまざまな場面で、ダブルスタンダードに悩まされる人ほど、外面と内面の矛盾を心の葛藤としてためこみ、結果、「膵臓」にその影響が出やすくなる、ということなのです。 人は誰しも、外への自分と内への自分というものを持っています。 みんな、ある程度はペルソナ(社会的仮面)を演じて生活しています。しかし、外側の自分と内側の自分とが、あまりに大きく乖離(かいり)し始めると、そのサインとしてまずは膵臓の消化液か、血中に分泌されるインスリン等のホルモンに影響が出るのです。 糖尿病といえば、血糖値。 そんなイメージのおかげで血糖値を下げることばかりに気をとられてしまいがちですが、そもそも「血糖」とは、血液中のブドウ糖のことです。 そして、「ブドウ糖」とは細胞のエネルギー源のことです。特に「脳」で使われるエネルギー源は100%が「ブドウ糖」です。そして、血液中にあるブドウ糖をエネルギーとして各細胞への取り込ませ、吸収を手伝うのが、「インスリン」の役割なのです。 糖尿病とは、そのインスリンの働きが弱るわけで、それはつまり、からだが血液中のブドウ糖を細胞内にエネルギー源として取り込むことを拒否している、ということです。 細胞にエネルギーを供給したくない理由を、端的にまとめて言うなら、 「俺、もうこれ以上、がんばりたくない」 ということになります。 自分のことは後回しにして、誰かのために、家庭のために、仕事のために、何とか自分を社会に合わせようと日夜がんばっている。そんな状態が糖尿病という病の正体なのかも知れません。 そして、それがまた「糖尿病列島」と呼ばれるまでになった日本という社会の現実です。 でも、もう卑下することをやめて、そんな国に生きている現実をしっかりと見据えることから始めましょう。 まずそうした自分や社会に労わりと思いやりを持ってやると、インスリン注射よりも効果的に糖尿病患者を減らしていくことができるかも知れませんね。 |
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人体の謎研究所&波動リーディングセンター |
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※板垣宏征氏に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。 okada@jmca.net
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