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板垣宏征の「見えない・からだ学」 24号 |
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症状編(8)「自律神経失調症とは?」 |
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「自律神経失調症」という言葉、最近、あまり聞かなくなったと思いませんか?
すべての病気が結局は自律神経失調症だ、とも言えるので、この言葉の意味するところがあいまいになってきたせいもあるかも知れませんね。 自律神経系とは、みなさんよくご存知のように「交感神経」と「副交感神経」という2つの神経が拮抗して働いています。 交感神経はからだを緊張させ、副交感神経はからだをリラックスさせます。 血管を収縮させるのが交感神経で、拡張させるのが副交感神経。 つまり、からだを閉じるように促す交感神経と、からだを開くように促す副交感神経とがそれぞれバランスよく拮抗して働いているのです。 からだを閉じるってどういうイメージでしょうか? それは緊張しているからだです。 身構えるからだ、戦闘モード。ストレスにさらされ、我慢しているからだです。血流も悪くなり、その分、全身に運ばれるべき栄養分やエネルギー、排泄されるべき体内毒などが、からだのどこか一箇所に溜まりやすくなります。 逆にからだが開くとはどういうことでしょうか? これはリラックスモードでからだが緩んでいる状態です。からだが緩んでいるとき、鼻水がたらっと出たり、休憩になると安心して急に尿意をもよおすのを経験する方も多いと思いますが、リラックスのこの副交感神経によって、からだの分泌・排泄が促進されるからです。つまり、緊張して溜まったものを押し出そうとする。 呼吸をしたり、食事をしたり、排泄、睡眠、およそ人の活動のすべてに自律神経系は関わっています。 交感神経は活動神経ですから、昼間に優位にはたらきます。夜になって休息モードになると、交感神経から切り替わって副交感神経が優位になっています。 このバランスが1日のうちでスムーズに入れ替わってくれると、からだを閉じて溜めるものと、からだを開いて出て行くものとの帳尻が合って、バランスのいい状態が保たれるわけです。 |
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しかし、これが得てして現代生活はどうしても、「交感神経優位」の状態を強いられることが多くなります。だから比率として、いつも持ち越しのストレスや体内毒が超過し、なんだかスッキリしない、疲れがとれない状態が続くことになるのです。 先日、来所された彼女も、そうした生活を強いられていました。 23歳女性。大手百貨店に入っている専門店で下着売り場を担当し、毎日、立ち仕事の上に接客業務。ノルマも課せられていることから、日中はとにかく緊張の連続です。元来の生真面目な性格も、ここでは悪く働いてしまって「息抜き」ということができません。 百貨店での勤務ということで、休みの日も木曜日と変則的なのですが、彼女の訴える症状というのが、その休みの日にぐったり動けなくなり、木曜日には決まって嘔吐してしまう、というものでした。 これは、まさに自律神経の失調。嘔吐とは、からだを無理やり開いて、中の食べ物を押し出してしまおうとする生体反応(副交感神経反射)です。 勤務日にあまりにからだを緊張させているため、溜まったエネルギーを放出しようと、「嘔吐」という非常手段を使ってまで、からだを緩め、交感神経と副交感神経の1週間分の帳尻を合わせようとしていたのでした。 「自律神経失調症」とは、見えない・からだ学から言うと、拮抗が崩れた状態そのものなのではなくて、ずれてしまった交感神経と副交感神経のバランスを無理やりにでも拮抗させようとする「副交感神経の無理やり反射」を言います。 からだにはリンパ液というものが循環しています。緊張して毒素や疲労物質が細胞内にあるうちは、あまり疲れを感じません。 ところが、ほっとリラックスして各細胞がそうした毒素を細胞外液に吐き出し、それをリンパが回収して全身のリンパ液が汚れた状態になると、循環が悪くなって、どよーんとした疲れがからだを襲うわけです。 これは例えて言うと、スポーツ選手が試合中にケガをしても緊張のあまり痛みを感じないですんでいたのが、試合終了と同時に痛みが出始め、患部に腫れが起こるようなケースと似ています。 あるいは、足を組んで血管を圧迫していると、足組みをといてしばらく後にしびれがじんじんくる。足を組んでいる最中(緊迫中)にはしびれは決して起こらないのと同じです。 からだは緊張していると感覚が鈍磨し、痛み、かゆみ、しびれ、味覚、触覚、聴覚などが鈍ってしまうのです。ストレスによるからだの緊張も実は同じことで、交感神経優位の生活とは、本来感じるべきことを麻痺させているということなのです。 それでも、からだはその感覚を取り戻そうとしまが、来所された彼女の場合、その反動幅が極端に大きく、1週間分のストレスに対する副交感神経の反射になっていたために、「嘔吐」という非常手段になってしまったのでした。 このような自律神経のしくみを彼女がひとりで理解できるわけもなく、なぜ休みの日になると「嘔吐」してしまうのか、自分のからだの反応を嫌悪し、ただただ戸惑うばかりだったのです。 彼女の波動リーディングを進めていくと、反応のあった項目は「副交感神経」ではなく、「交感神経」の方でした。「我慢しすぎる交感神経」に課題があったのです。副交感神経の反射が実際の「嘔吐」という症状を起しているにもかかわらず、波動的には副交感神経は正常と出たのです。 そして、我慢しすぎる交感神経に感情コードで「悲しみ」「寂しさ」それに「アパシー(無感動)」という波動が干渉していました。それをそのまま彼女に説明すると、その場で彼女は泣きはじめました。 今まで何かを抑えていたのでしょう。一筋の静かな涙はだんだん嗚咽となり、やがて私が前にいるのも忘れたかのように子どものような大泣きになりました。 ひとしきり、20分くらいたった後でしょうか、彼女は顔を上げ、涙の理由を説明し始めてくれました。 この症状が始まるちょうど1年前。大好きだったお父さんが突然の事故で亡くなったのだと言うのです。現代の父娘関係には珍しく、とっても仲のいい親子で、よくデートにも出かけ、彼女は本当にお父さんっ子だったそうです。 その大好きなお父さんのあまりの突然の事故死に、悲しみや寂しさも感じる間もないまま感情を麻痺させていた、ということを今の今まで気づかなかった、と彼女は話してくれました。 「アパシー(無感動)というのは、たぶん、あまりのショックで、あの時はもう感情を止めてしまったのだと思います」 彼女にとって、それは心の防御なのでした。 心の防御がいつしか、からだの緊張を経常化させ、交感神経優位の、からだが閉じる体質をつくって行ったのです。 お父さんへの想い、お父さんを失った悲しみと面と向き合わない限り、そしてその感情を吐き出してしまわない限り、1週間ごとの「嘔吐」症状は続いてしまいます。 すべてを汲み取った彼女は、 「いま、板垣さんのおかげで、やっと泣けました。嘔吐の理由がほんとによく理解できたので、ちょっとずつ体質改善していけるんじゃないか、と思えます」 と言ってくれました。 もちろん、だからと言って仕事上の緊張感が消えてしまうわけではありません。そこで波動水と同時に、毎日のちょっとした秘訣も伝授しました。 この連載記事の第8号でもご紹介した「呼吸の仕方」、吐く方を主体にした呼吸法をお伝えしたのです。 どうせ「吐く」のなら、呼吸で。 交感神経優位のからだは、知らず知らずのうちに呼吸が浅くなっていますが、それはすなわち、吸う方が優位になっている証拠です。 五臓六腑のうち唯一、意識的に動かせる臓器は「肺」だけです。五臓の働きは基本的には自律神経の支配下にあって、心臓も腎臓も肝臓も、意識的に縮めたり伸ばしたりはできないのですが、肺だけは「呼吸」という方法を通じて意識的にアプローチすることができます。 1週間緊張し続けて、休みの1日でどっと反動する。これまでのそうした自律神経系のパターンを変えて、いかに1日のうちに2つの神経の帳尻を合わせるか。 吐く方を意識してもらった呼吸で意識的にからだを開き、エネルギーの解放を1日1日に分散して、できるだけ1週間分を溜めないようにする。 文字通り、毎日「息抜き」をしてもらうことで、そのような生活習慣をしばらく続けてもらったところ、見事に、この症状は改善を見せたのでした。 「不思議ですね。仕事上のストレスが原因とは考えていましたが、父の死がここまで私のからだに影響しているとは思ってもみませんでした」 からだとは不思議のかたまりです。おっと、「なぞけん」としては人体は謎だらけなのです。 でも、一見まったく意味のわからない症状も、波動リーディングとクライアントさん自身が自分の胸にそっと手を当てることで、解決の大きなヒントが舞い降りてくることは大いにあり得ます。 「謎」はそれ自体、解決の可能性を示唆してくれているものでもあるわけですね。 |
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人体の謎研究所&波動リーディングセンター |
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※板垣宏征氏に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。 okada@jmca.net
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