エムツーフューチャーは戸建てを現場調査した上で、図面CADデータを作成するサービスを開始した。
同社は専業である専門業者向け図面作成のほかに、一般向け優良リフォーム総合情報サイト「リフォナビ」を運営している。
リフォーム需要が増加する一方、多くの築年数の古い物件は、現況を示す正確な図面がないことを受け、今回のサービスインとなった。
料金は一平米あたり八百円となっている。
ちなみに、プロのCADオペレーターの時間給は「最低でも三千円。一般的に六千円前後が相場。このサービスが安いかどうかはユーザーに判断してもらいたい」(同社代表取締役・青柳いち氏)とのこと。
開口一番、同氏は「居住者本人でも、電気、上下水道、ガス、空調まで、すべてを把握している人はほとんどいないだろう。
商談を行うにあたって、テーブルに載せるデータを用意しておかないのは不用意」。
リフォームは外観や内装にとどまらず、周囲の住環境に及ぶこともあり、また、各人の要望によってその費用は大きく異なる。
そこへきて正確な図面がなければ、見積もりがあやふやなもになるのは必然。
さらに、付け込まれれば、悪質な詐欺事件にも発展するわけである。
「“ふっかける”のは業界の悪しき体質。それに対して、消費者は判断する知識もないから、言い値をそのまま受け入れざるを得ない。
まずは自分の住環境の現況について知っておく必要がある。
CAD化はその一手段と考える。」
また、建築基準法では、工事に着手する前、敷地、構造、設備などの安全性を記載した建築確認申請書を公共団体などへ提出するか、確認検査員の確認を受けなければならないとされている。
この際も同社の新サービスが有効といえるかもしれない。
というのも、自分の代で改築を行うにあたり、これまで一切の書類申請がされていなかったと知る人が多いというのだ。
「現況の報告は義務であり、本来リフォームにあたって一級建築士が申請するもの。ところが父母の代までは古い業者で済ませていたから、この辺がいい加減。
ここ4〜5年、理想の住まいを実現させようと業者をかえる30代、40代が増え、自ら工務店を見つけようといいう傾向があるが、いざとなって書類がないことに気づくケースが増えている。」
さて、このサービスが先々、「リフォナビ」掲載の工務店とユーザーを結びつけるBtoBビジネスへ発展すると考える人も多いだろう。
しかし、青柳氏は、「そういったことは一切、考えていない」と話す。
「この業界、おかしなことがまかり通っているので、それを正しいと考えているだけ。まずはリフォナビの施工事例を見てもらい、リフォームの相場を知ってもらいたい。
一方、工務店の中にはメールすら使えず、時代の流れに取り残されている零細企業もある。
一部の人間の行為で、業界全体に不信感が漂っている今、彼らも同様に救済したい」
同社は施工を行うわけではないから、工事会社と消費者の関係を俯瞰できる立場にある。実際、リフォナビには約3千社の工務店が掲載されており、担当者はそれぞれの詳細を把握している。
施工事例を確認しつつ、無料で気に入った工務店を紹介してもらえるならリフォームを考えている人はのぞいてみるだけで価値があるだろう。