5月30日、参議院に提出されていた「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案」、俗に言う迷惑メール規制法案が、可決され成立した。
施行日は未定だが、違反した法人に対する罰金の上限をこれまでの30倍としたり、海外からの迷惑メールも規制の対象とするなど、実施されれば成果も期待できる内容となっている。
現在、全世界のメールの80%以上が迷惑メールとなったと言われている。結果として本当に必要な情報は埋もれてしまい、すでにメールは効率的なコミュニケーション手段とはいえなくなってしまった。
実際、メールアドレスを「知られない」ための努力をする、というコミュニケーションの基本から外れた運用をしている人は少なくない。
プロバイダーもユーザーも有効なスパムフィルターを実装して運用するしか対抗手段がなく、フィルターの精度も十分とはいえない。
さらに迷惑メールはPCから携帯電話へとその活動場所を移しつつあり、日本のようなプッシュメール形式ではフィルターにかからない迷惑メールは受けざるを得ず、それはそのまま通信料へと響く。
回線のデータ総量も限られていることを考えても、これら迷惑メールはモラル以外にも大きな迷惑を撒き散らしている。
しかもそのメールが掲載している広告の効果は、殆どないのが現状だ。
今回の法改正では、まず送信に同意した者に対しての広告メールの送信を許可する「オプトイン方式」を導入し、これに反した場合は違法とする。
これまではユーザーから拒否する通知があった場合は、メールの送信を停止する「オプトアウト方式」であったため、“まず送る”というアクションに対して、違法性を問われなかった。
二つめに法の実効性の強化を行い、なりすましメールをプロバイダが拒否することができたり、違法ユーザーの情報提供を求めることができるようになる。
さらに罰金額をこれまでの百万円以下から三千万円以下の罰金へと強化し、抑止力となることを期待している。
その他の対応として、海外からの迷惑メールに対しても、法の規制対象となることを明確にし、外国からも情報の提供を求めることができるようになる。
これらの規制が十分に機能すれば、増えすぎた迷惑メールを減らすことができるかもしれない。
少なくとも国内におけるメール送信業者の多くは取り締まりを行なうことで、それを控えることもあるだろう。
しかし、例えば、海外にメール送信業者を置いている場合、規制の対象としているとはいえ、どれほど取り締まりを行なうことができるだろうか。
また、対応に時間がかかれば、転々と発信場所を変え、結局は捕まらないということになる可能性もある。
もう少し適応範囲を拡大し、メール送信業者だけでなく、広告主も規制の対象にすべきかもしれない。
具体的な内容に関してはこれから、迷惑メールへの対応のあり方に関する研究会での議論を重ね、6ヶ月以内に施工する予定だ。
実効性のあるものとなるものを強く望みたい。