米グーグルは4月7日、GmailやocsyQGoogle App Engineのプレビュー版の提供を開始した。
デベロッパーはグーグルのソフトウェアが動いているのと同じ環境で動くウェブアプリを開発でき、さらに提供されたサーバを使ってソフトウェアの配布も可能になる。
公開されたプレビュー版は当初、1万人に限定されている。登録後に使えるストレージ容量やCPU使用時間、転送量なども制限されている。
この制限を越えたデベロッパーは超過分の料金を支払うことになるが、正式リリース時は、これらの制限は撤廃される予定。アプリの開発言語も現在のグーグルが開発言語として使用しているPythonに限定されているが、将来的にはRubyやPHPなどの他言語にも対応予定。
またサイトでは各OSプラットフォーム用のSDKが提供されており、さらにAPIを使ってグーグルの他のサービスとの統合も可能となる。
同じようなサービスにはAmazon EC2(Elastic Compute Cloud)があるが、Amazonのサービスが時間単位、月単位で有料であるのに対してコチラは基本無料。
しかもグーグルの他のサービスとの統合ができるという点では、後発とはいえ、大きなアドバンテージがあると言えるだろう。
ITの世界はハードウェアの能力の強化とインターネットの発達による通信回線の高速化によって、デスクトップという環境を離れてインターネット上ですべての作業が完結する「クラウド・コンピューティング」の時代へと移りつつある。
デベロッパーの多くがウィンドウズ環境を見捨てて、Macを使い始めているのは、ネットに繋がる端末であれば、OSは何でもかまわないため、ウィンドウズよりセキュアで、unix環境、すなわちネット上の開発環境を持つMacを選んでいるという背景がある。
すでにネットの覇者であるグーグルが自社の環境を提供してアプリ開発を可能にするということは、このApp EngineをOSに依存しないクラウド・コンピューティング上の「標準OS」とすることを目指しているということだろう。
インフラになりつつあるGmailなどとも連携できるウェブアプリが次々と生まれてくれば、「Google Apps」の価値は高まり、結果として、グーグルがクラウド・コンピューティングの覇者なるだろう。
以前から噂されていたグーグルOSの正体は、実はここにあるのかもしれない。
グーグルはさらに4月14日、米SalesForce.comが提供する、CRM製品「SalesForce」と「Google Apps」の統合を発表した。
日本でも株式会社セールスフォース・ドットコムによる会見が、17日に行なわれた。
グーグルは今回のこの提携により、すでに企業市場にリーチしちえるセールスフォースのラインを使い、「Google Apps」の利用を拡大できることになる。セールスフォースとしては、Google App Engineを使ったウェブアプリとの連携なども視野に入り、クラウド・コンピューティング時代の大きな市場が期待できるというわけだ。
実際、セールスフォースの提供するCRMに組み込まれた「Google Apps」のデモは非常にシームレスに動いており、ネットの繋がる環境であれば、十分活用できるものであると感じられるモノだった。
いずれにしろ、時代の潮流はすでにクラウド・コンピューティングに移りつつある。
そして今回のApp Engineの公開によって、グーグルはその牽引役に躍り出たといってよいだろう。